指定難病22「もやもや病」とは?
1. もやもや病
脳の血流がゆっくりと遮られていく不思議な病気、それが「もやもや病」です。
正式には「ウィリス動脈輪閉塞症」とも呼ばれ、脳の太い血管が徐々に狭くなることで、代わりに異常な細い血管が広がっていきます。
その様子が霧のように「もやもや」して見えることから、この名がつきました。
発症は小児と成人の2つのピークがあり、進行すると脳梗塞や出血を起こす恐れがあるため、早期発見・対応が重要です。
2. 分かりやすい説明
もやもや病は、脳に血液を送る大切な「内頚動脈(ないけいどうみゃく)」の終わりの部分が少しずつ狭くなり、血の流れが悪くなる病気です。
このままでは脳に酸素が届かなくなるため、体は細くて弱い血管をたくさん作って補おうとします。
でもこの細い血管たちはとてももろくて、血の流れも不安定です。そのため、脳の一部が酸欠になってしまったり、逆に血管が破れてしまったりします。
この“代わりの血管がもやもやと集まって見える”ことから「もやもや病」と呼ばれるようになりました。
3. 症状
もやもや病は年齢によって出やすい症状が異なります。
小児では、過呼吸や泣いたあとに突然体が力を失う「一過性片麻痺(いっかせいへんまひ)」が典型的な症状です。
大人では脳出血として見つかることが多く、突然の頭痛・嘔吐・意識障害を引き起こします。
また、慢性的に脳の血流が悪くなるため、集中力の低下や学習障害のような症状が現れることもあります。
4. 現在分かっている原因と研究の動き
原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因が関係していると考えられています。
日本人に多くみられることや、家族内発症が約10〜15%とされていることから、特定の遺伝子(RNF213遺伝子)の関与が示唆されています。
現在も研究が進められており、遺伝子解析や画像診断技術の進歩により、早期発見が可能になりつつあります。
5. 治療法
根本的な治療法はまだ確立されていません。
しかし、症状の進行を抑えるための「血行再建術(バイパス手術)」が行われることがあります。これは、他の血管から脳へ血液を送る道を作る手術です。
また、薬によって血液が詰まりにくくする治療(抗血小板薬の使用)も行われることがあります。
手術の有無にかかわらず、日常生活での過度なストレスや過呼吸の予防が大切です。
6. 患者数
日本における推定患者数は、難病情報センターのデータによるとおよそ10,000人以上とされています(申請件数ベース)。
特に東アジアに多く見られ、日本・韓国・中国などでの報告が多いことが特徴です。
7. 家族・介護職が意識したい支援のポイント
- 小児の場合、運動後や泣いたあとの片麻痺(体の半分が動かない)に注意を払いましょう。
- 成人では、突然の頭痛・意識障害がある場合、すぐに救急対応を行ってください。
- 入浴時やトイレでのいきみ・ストレス・脱水などは、発作を誘発することがあるため避けましょう。
- 日常の生活では、規則正しい生活とストレス管理が重要です。
- 教育現場では学習面での配慮が必要になることもあるため、学校や職場との情報共有も支援になります。
8. まとめ
- 子どもから大人まで発症する可能性があるのが特徴です
- 頭部のMRIやMRAなどの検査で診断されます
- 血行再建術による症状の緩和が行われています
- ストレスや脱水、過呼吸などを避ける生活習慣が重要です
- 家族や介護職による早期の気づきと対応が大きな支えになります
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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