指定難病28『全身性アミロイドーシス』とは?
1. 全身性アミロイドーシス
「全身性アミロイドーシス」とは、アミロイドと呼ばれる異常なたんぱく質が体のさまざまな臓器に沈着し、臓器の働きを低下させる難病です。
心臓・腎臓・消化管・神経など、複数の器官に影響を与えることから、診断や治療が非常に難しい病気とされています。
症状や進行のスピードには個人差があり、病型によって原因や治療法も異なります。
特に高齢者に多く見られるタイプや、遺伝によって発症するタイプもあるため、早期の診断と専門的な対応が重要です。
2. 分かりやすい説明
アミロイドーシスという病気は、体の中に「アミロイド」という異常なたんぱく質ができてしまい、それがいろいろな臓器にたまってしまうことが原因です。
たとえば、腎臓にたまれば尿の出が悪くなったり、心臓にたまれば心不全(心臓がうまく動かなくなること)になったりします。神経にたまると、手足のしびれや歩きづらさが出てくることもあります。
つまり、アミロイドがたまった場所によって体の症状が変わるのが特徴です。
原因は体の中で異常に作られたたんぱく質で、体にとっては「いらないゴミ」のようなものが処理できず、臓器を傷めてしまうのです。
3. 症状
症状はアミロイドが沈着した臓器によって異なりますが、主なものは以下の通りです:
- 腎臓:尿たんぱく、ネフローゼ症候群、腎機能低下
- 心臓:心不全、不整脈、動悸、息切れ
- 神経:しびれ、感覚障害、歩行障害、起立性低血圧
- 消化器:下痢、便秘、食欲不振、体重減少
- 舌の腫れ(舌肥大):話しづらさや飲み込みにくさ
病型によって症状の出方が異なるため、注意深い観察が必要です。
4. 現在分かっている原因と研究の動き
全身性アミロイドーシスにはいくつかの病型があります:
- ALアミロイドーシス:骨髄で異常な免疫細胞が異常なタンパク質(免疫グロブリンの一部)を作ることが原因です。
- ATTRアミロイドーシス:トランスサイレチンというたんぱく質が原因で、遺伝性のタイプ(遺伝性ATTR)と、加齢によるタイプ(野生型ATTR)があります。
- AAアミロイドーシス:慢性の炎症性疾患(関節リウマチなど)が原因となって起こるものです。
現在、各病型に応じた治療法の開発や、早期診断のためのバイオマーカー研究が進められています。
5. 治療法
治療法は病型によって異なります。
AL型では、異常な免疫細胞を抑えるための化学療法(抗がん剤)が用いられます。
ATTR型では、トランスサイレチンの産生を抑える薬(タファミジスなど)や、沈着を防ぐ治療が中心となります。
AA型では、原因となる炎症性疾患のコントロールが重要です。
いずれも「根治」は難しいとされていますが、症状の進行を遅らせることや、臓器の働きを守ることを目的に治療が行われます。心臓や腎臓など、障害された臓器に対しての対症療法やリハビリも並行して実施されます。
6. 患者数
2021年の報告によると、日本国内における推定患者数はおよそ 900人 です。
この数字は病型によって異なり、特に高齢男性に多い野生型ATTRの発見率が上がっていることもあり、今後さらに増加する可能性があります。
7. 家族・介護職が意識したい支援のポイント
- 日常生活の観察:むくみ、息切れ、体重の急な変化などは早めに医師へ報告しましょう。
- 疲れやすさに配慮:心不全などの症状により、すぐに疲れる傾向があります。無理をさせず、休憩をこまめにとる工夫が必要です。
- 食事・水分管理:腎機能に影響が出ている場合、塩分制限や水分管理が求められます。
- 起立性低血圧の配慮:急に立ち上がるとふらつくことがあるため、立ち上がり動作に注意を払いましょう。
- 多職種連携:医師・看護師・薬剤師・リハビリ職などとの連携が大切です。
8. まとめ
- アミロイドという異常なたんぱく質が臓器に沈着する病気です
- 症状は腎臓・心臓・神経・消化器など多岐にわたります
- 病型によって治療法が異なり、進行抑制が中心となります
- 介護では疲労や心不全への配慮、生活全体の見守りが重要です
- 多職種での支援体制を整えることが望まれます
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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