■① 病気の説明

脊髄髄膜瘤は、胎児の発育段階で脊椎がうまく閉じず、脊髄や神経が背中の外に出てしまう先天性の病気です。
神経が傷つくことで、下半身の麻痺や感覚障害、排尿・排便のコントロール障害などが生じることがあります。
症状の程度は個人差があり、軽度から重度までさまざまです。
生まれた直後から医療的な対応が必要になることが多く、長期的な支援が求められます。
■② 分かりやすい説明

本来、背骨は中の神経をしっかり守る「ケース」のような役割をしています。
しかし脊髄髄膜瘤では、そのケースが一部閉じず、中の神経が外に出てしまった状態になります。
例えば、足を動かす神経が影響を受けると「足に力が入らない」「歩きにくい」といった状態になります。
また、トイレの感覚が分かりにくくなることもあり、日常生活に支援が必要になることがあります。
■③ 症状

・下半身の麻痺や筋力低下
・感覚障害(触覚・痛覚の低下)
・排尿・排便障害
・足の変形や歩行障害
・水頭症を合併することがある
■④ 原因
胎児期に神経管(脳や脊髄のもと)が正常に閉じないことが関係しているとされています。
葉酸の不足などが関与する可能性が指摘されていますが、すべての原因が明確に分かっているわけではありません。
複数の要因が関係していると考えられています。
■⑤ 治療

根本的に元の状態に戻す治療は難しいとされています。
主な対応は以下の通りです。
・出生後早期の手術(神経の保護)
・水頭症がある場合のシャント手術
・リハビリテーション
・排尿・排便管理(自己導尿など)
症状に応じた長期的な医療と支援が必要です。
■⑥ 患者数

日本での正確な患者数は明確にはされていませんが、先天性疾患として一定数の患者が存在するとされています。
あるデータからは年間500~600名の患者さんが出生している計算になりますが、実数はもう少し少なく、年間200~300名の患者さんが出生していると推測されています。
■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・下肢麻痺がある場合は、歩行器や車いすの安全点検を定期的に行う
・床の段差解消や滑り止めマットを設置する
・足の感覚低下があるため、靴ずれや傷を毎日確認する
② 動作支援
・移乗時(ベッド⇔車いす)はスライディングボードなどを活用する
・自立度に応じて、過介助にならないよう見守りと部分介助を使い分ける
・上半身の力を活かせるよう環境を整える
③ 疲労管理
・長時間の座位による疲労を防ぐため、定期的に体位変換を行う
・活動と休息のバランスを記録し、無理のないスケジュールにする
・褥瘡予防のため、クッションや体圧分散マットを使用する
④ 環境調整
・車いすで移動しやすいように家具配置を見直す
・トイレや洗面所に手すりを設置する
・排泄ケアがしやすい環境(導尿スペース確保など)を整える
⑤ 心理的サポート
・排泄や移動の悩みを具体的に聞き取り、対応方法を一緒に考える
・できる動作(上半身の動きなど)を評価し、自信につなげる
・長期的な支援になるため、本人・家族と情報共有を継続する
■⑧ まとめ
・生まれつき脊髄や神経が外に出る病気
・下半身麻痺や排泄障害が主な症状
・原因は一部指摘されているが不明点もある
・治療は手術や対症療法が中心
・介護では「移動・排泄・褥瘡予防」が重要
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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