介護保険制度
まずは、介護保険制度の実施者、厚生労働省の考え方を見てみましょう。
https://www.mhlw.go.jp/content/000801559.pdf
介護保険制度が導入された背景
- 高齢化の進展にともない、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など、介護ニーズはますます増大していく。
- 一方、核家族化の進行、介護する家族の高齢化など、要介護高齢者を支えてきた家族をめぐる状況も変化していく。
- 従来の老人福祉、老人医療制度による対応には限界が見えている。
介護保険法
それらの問題を解決するために創設されたのが
↓
高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組み(介護保険)になります。
その介護保険に関わるのが、介護保険法になります。
1997年 介護保険法成立
2000年 介護保険法施行
介護保険制度の基本的な考え方
介護保険制度の基本的な考え方は、大きく分けて三つあります。
- 自立支援・・・単に介護を要する高齢者の身の回りの世話をするということを超えて、高齢者の自立を支援する事を理念とする。
- 利用者本位・・・利用者の選択により、多様な主体から保健医療サービス、福祉サービスを総合的に受けられる制度。
- 社会保険方式・・・給付と負担の関係が明確な社会保険方式を採用。
介護保険制度の仕組み
保険者は市町村、被保険者は40歳から64歳までの第2号被保険者と65歳以上の第1号被保険者となっています。
介護保険の財源
公費50%、保険料50%、令和2年度予算総費用ベースで12.4兆円になります。
むなかた
公費は言いかえると税金ですから、私たちは介護保険制度を維持するために、毎年12兆円ものお金を用意しないといけません。なかなかに大変ですよね。
これまでの20年間の対象者、利用者の増加
65歳以上被保険者の増加
2000年4月末 | 2020年4月末 | ||
2,165万人 | ➡️ | 3,558万人 | 1.6倍 |
要介護(要支援)認定者の増加
2000年4月末 | 2020年4月末 | ||
218万人 | ➡️ | 669万人 | 3.1倍 |
サービス利用者の増加
2000年4月 | 2020年4月末 | |||
在宅サービス | 97万人 | ➡️ | 384万人 | 4.0倍 |
施設サービス | 52万人 | ➡️ | 95万人 | 1.8倍 |
地域密着型 | 無 | 84万人 | ||
合計 | 149万人 | ➡️ | 494万人 | 3.3倍 |
今後の介護保険をとりまく状況
- 65歳以上の高齢者は2042年にピークを迎える予測で、3,935万人になり、認知症高齢者が増加していく。
- 世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみ世帯が増加していく。
- 65歳以上が支払う介護保険料が増加していくことが予測される。
- 2025年以降は高齢者の急増から、現役世代の急減に局面が変化していく。
むなかた
2025年以降は要介護者はどんどん増えるが、働ける人は激減していくという状況になります。
さらに、高齢者が増えて、現役世代が減るので、一人の高齢者を支える人数が減っていき、介護の負担とお金の負担どちらも増えていく事が簡単に想像できます。
以上、早足で重要なところだけを拾っていきました。
詳しく説明するとだいぶ長くなりますので、必要という声があれば、また別の機会に説明をしたいともいます。
コメント