【お薬】刺激系下剤:ピコスルファートについて。効果・作用・副作用などを分かりやすく説明いたします。【介護】

ピコスルファート

1. この薬はどんな薬?

ピコスルファートは、便秘を改善するためのお薬です。腸の動きを助けて、たまっている便を出しやすくしてくれます。
分かりやすく言うと、「腸を軽く刺激して、自然にお通じが出るように手伝う薬」とイメージしてください。

服用してすぐに効く薬ではなく、多くの場合飲んでから8〜12時間ほどで効果が出るのが特徴です。

2. 効果

この薬は主に次のようなときに使われます。
・数日間お通じがなく、便秘で苦しいとき
・排便がスムーズにいかないとき
・手術前など、腸をきれいにする必要があるとき

特に高齢の方は腸の動きが弱くなりがちで、便秘が起きやすいため、介護現場でよく見られるお薬です。

3. 作用と副作用

作用

ピコスルファートは、大腸に届くと腸内細菌の働きで「効く状態」に変わり、大腸の動きを活発にして便を押し出す力を助けます。

そのため、夜に飲むと、翌朝に自然なお通じが出やすくなります。

副作用

最も注意してほしい副作用は以下です。
・お腹の痛み(腸が動き始めるため)
・下痢
・お腹の張り、ゴロゴロ音
・飲み続けると効きにくくなることがある
・水分が多く失われると、脱水や電解質のバランスが崩れる可能性がある

特に高齢の方は水分不足になりやすく、下痢が続くと脱水のリスクが高まるため、排便状況の観察がとても大切です。

4. 成分

一般名:ピコスルファートナトリウム
この成分が腸を刺激して排便を促します。
他の刺激性下剤と比べて、比較的穏やかな作用が特徴です。

5. 使用方法

一般的な使い方(医師の指示が最優先):
就寝前に5〜10滴もしくは錠剤1錠を飲むことが多い
・翌朝のお通じを期待して使う
・量は症状に合わせて医師が調整する

介護の現場では、
・滴数(液体の場合)が正確に量れているか
・いつ服用したか
・翌朝の排便の有無

これらを確認して記録することが大切です。

参考リンクはこちらです。👇
くすりのしおり ピコスルファートNa内用液0.75%「NIG」

7. 薬価

薬価(2024年度参考・規格により異なる)
・ラキソベロン錠 2.5mg:約7〜9円/1錠
・ラキソベロン液(7.5mg/mL):約16〜18円/1mL
※薬価は年ごとに改定されるため、実際の価格は医療機関で確認してください。

8. まとめ

ピコスルファートは便秘にとても効果のある薬ですが、効きすぎると下痢になり、脱水につながる可能性があります。

高齢の方は体力が落ちやすいため、排便コントロールは介護の重要なポイントです。

観察すべきポイント:
・服用した時間
・翌朝のお通じの有無
・下痢の回数
・腹痛の訴え
・水分がしっかり取れているか

気になる症状があれば、必ず看護師や医師に報告してください。

薬に頼りすぎず、水分補給・食物繊維・適度な活動など生活面の改善も合わせて大切です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、今回はこの辺で失礼いたします。

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