センノシド(センナ系下剤)
1. この薬はどんな薬?
センノシドは、腸を刺激して便を押し出す力を強める、刺激性下剤の一つです。
植物由来の成分(センナ)から作られており、昔から便秘薬として広く使われています。
「自然の薬」というイメージを持たれがちですが、作用はしっかり強く、効果はラキソベロンよりも強めに出ることがあるため、使用には注意が必要です。
「腸をしっかり動かして便を出す薬」と説明すると分かりやすいでしょう。
「センノシド」は薬の成分の一般名でもあり、商品名の、「プルゼニド」「アローゼン」「コーラックハーブ」などの名前でも呼ばれています。
2. 効果
センノシドは、次のような便秘に用いられます。
・腸の動きが弱って便が出にくいとき
・慢性的な便秘
・食事量や水分摂取が少なくなり、腸管の動きが低下している高齢者
効果は飲んでから6〜12時間後に現れるため、夜に飲んで翌朝のお通じを期待する使い方が一般的です。
3. 作用と副作用
作用
センノシドは大腸に届くと腸内細菌によって活性化し、
・大腸を刺激してぜん動運動を促す
・水分の吸収を抑える
ことで、便を押し出しやすくしてくれます。
刺激がやや強めなので、便秘が頑固な方に向いています。
副作用
刺激が強い分、副作用も比較的出やすい薬です。
重要なものを優先して記載します。
・腹痛(差し込むような痛みが出ることも)
・下痢
・腹部膨満感、ゴロゴロ音
・長期使用による耐性(効きにくくなる)
・「大腸メラノーシス」という色素沈着が起こることがある(可逆性で害は少ないが、長期連用のサイン)
高齢者では、腹痛によってADLが落ちたり、下痢で脱水を起こす危険があるため、慎重な観察が必要です。
4. 成分
・一般名:センノシドA・B
・由来:植物(センナ)
・特徴:刺激性が強めで、効果も強めに出やすい
「自然素材だから安心」というイメージを持たれがちですが、実際はラキソベロンより強く、慎重に使うべき薬です。
5. 使用方法
(医師の指示が最優先)
・成人:1回12mg〜24mg(就寝前に使われることが多い)
・効果は翌朝に出やすい
・便秘の状態により量は調整される
介護現場で注意すべき点:
・腹痛の有無
・下痢になりすぎていないか
・いつ内服したか(夜に飲む事が多い)
・翌朝の排便の状況
・脱水のリスク
6. 他の便秘薬との違い
便秘薬には「刺激するタイプ」と「柔らかくするタイプ」があります。
センノシドは刺激性下剤の中でも作用が強めに分類されます。
● ラキソベロン(ピコスルファート)との違い
| 項目 | センノシド | ラキソベロン(ピコ) |
|---|---|---|
| 種類 | 刺激性下剤(やや強い) | 刺激性下剤(穏やか) |
| 作用 | 大腸をしっかり動かす | 大腸を適度に刺激する |
| 副作用 | 腹痛・下痢が出やすい | 比較的穏やか |
| 用途 | 頑固な便秘に向く | 一般的な便秘に広く使われる |
センノシドは、「どうしても出ない時の強めの助っ人」というイメージの方が近い薬です。
● 酸化マグネシウムとの違い
| 項目 | センノシド | 酸化マグネシウム |
|---|---|---|
| 作用 | 腸を刺激して出す | 便を柔らかくする |
| お腹の痛み | 出やすい | 出にくい |
| 即効性 | 強めで翌朝すっきり | 1〜2日かけてゆっくり |
| 向いている便秘 | 出したいのに動かないタイプ | コロコロ便・硬い便 |
状況に応じて、酸化マグネシウムと併用されることもよくあります。
参考リンクはこちらです。👇
くすりのしおり センノシド錠12mg「セイコー」
7. 薬価
製品により異なりますが、参考として:
・センノシド錠 12mg:約3〜6円/1錠
非常に安価で、病院・施設でも広く使われています。
8. まとめ
センノシドは、腸をしっかり刺激して便を出す効果のある便秘薬です。
即効性があり頑固な便秘に向いていますが、その分、腹痛や下痢が出やすい薬でもあるため、使用時は注意が必要です。
覚えておきたいポイント:
・「強めの刺激性下剤」であることを理解する
・腹痛や下痢の観察が重要
・夜に飲んで翌朝の排便を確認
・脱水に注意
・長期使用は慎重に
センノシドは「出したいのに動かない」タイプに向き、酸化マグネシウムは「便が硬いタイプ」に向いています。
便秘の原因を観察し、薬の特徴を知ることで、より安全に排便管理ができます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、今回はこの辺で失礼いたします。
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