【お薬】坐薬:新レシカルボン坐薬について。効果や作用・副作用などを分かりやすく説明いたします。【介護】

新レシカルボン坐薬(炭酸水素ナトリウム・無水リン酸二水素ナトリウム)

1. この薬はどんな薬?

新レシカルボン坐薬は、自然に近い形で排便を促す、刺激が少ないタイプの坐薬です。
肛門から挿入すると腸の中でガス(二酸化炭素)を発生させ、そのガスが腸壁を軽く刺激し、ぜん動運動を起こすことで排便を促す仕組みです。

簡単に言うと、「腸を強く刺激せず、優しくガスで動かして排便させる坐薬」です。

刺激性坐薬(ビサコジル)より痛みや腹痛が起こりにくく、高齢者や刺激に弱い方に使いやすい薬です。

2. 効果

新レシカルボン坐薬が使われる場面:
・便意はあるが出にくい
・直腸に便が溜まっている
・排便のきっかけが作れない
・高齢者で排便反射が弱っている
・刺激性下剤で腹痛が出やすい方
・できるだけ自然に近い排便を誘導したいとき

効果は 挿入して10〜30分以内 に出ることが多く、比較的即効性があります。

3. 作用と副作用

作用

坐薬が体温で溶け、成分の
・炭酸水素ナトリウム
・無水リン酸二水素ナトリウム
が反応すると、二酸化炭素(CO₂)ガスが発生します。
このガスが腸を押し広げ、腸に「便意」を伝えることで排便が促されます。

強い刺激ではありませんので、腹痛が出にくい・自然な便意に近いというのが特徴です。

副作用

副作用は少ない薬ですが、まれに以下があります。
・肛門の違和感
・挿入時の軽い刺激感
・まれに腹痛
・排便がうまくできずガスだけ出ることもある

ビサコジル坐薬に比べて腹痛・下痢は起きにくいです。

4. 成分

一般名:炭酸水素ナトリウム無水リン酸二水素ナトリウム

特徴:
・薬が溶けてガスを発生させ、そのガスが排便を促す
・物理的作用に近く、副作用が少ない
・刺激性の坐薬が合わない方でも使いやすい

「ガスによる刺激」という点が大きな特徴です。

5. 使用方法

※医師の指示が最優先
・通常、1回1個を肛門に挿入
・体温で溶けるまで数分
・10〜30分で排便が起こることが多い
・排便がなければ、看護師へ報告

介護現場でのポイント:
・挿入後はできるだけ横向きで安静に
・便意が来るまでトイレ誘導を繰り返さない
・自力が難しい場合はポータブルトイレを準備
・排便がない時の報告ルールを施設で統一

高齢者では排便反射が弱いため、便意を感じにくいこともあります。

参考リンクはこちらです。👇
くすりのしおり 新レシカルボン坐薬

6. 薬価

(2024年参考)
・新レシカルボン坐薬 1個:約15〜20円
坐薬としては一般的な価格です。

7. まとめ

新レシカルボン坐薬は、ガスの力で自然な排便を促す、刺激が少ない坐薬です。
高齢者に使いやすく、腹痛が出にくいという大きな特徴があります。

覚えておきたいポイント:
・ガスを発生させて腸を動かす
・刺激が弱いため高齢者に適している
・排便は10〜30分で起こることが多い
・腹痛や下痢が出にくい
・ビサコジル坐薬は強め、新レシカルボンは自然派
・「便意のきっかけ作り」として非常に有効

坐薬は適切に使うことで、排便コントロールが格段に楽になります。
特に「自然に近い排便」を目指す高齢者介護では、新レシカルボン坐薬は重要な選択肢となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、今回はこの辺で失礼いたします。

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