【本の紹介】世界で100万部のロングセラー。チャールズ・エリス著「敗者のゲーム」【お金の話】

「敗者のゲーム」

「敗者のゲーム」は、テニスの試合を表す言葉です。

「勝者のゲーム」が得点を勝ち取る試合であるのに対し、
「敗者のゲーム」はミスで得点を失う試合になります。

「勝者のゲーム」はプロ、もしくはごく一部の天才的なアマチュア選手による試合のことで、
「敗者のゲーム」はその他の多くの人の試合の事を指しています。

投資は「敗者のゲーム」であり、
成功するには「相手を打ち負かす」よりも「自分のミスを避ける」ことが重要だ、と述べています。

これには、全くの同意で、
私も、株を始めた当初は、「いかに儲けてやろうか」という事しか考えていなくて、
闇雲に取引をして手数料を取られ、
危険なほどのリスクを取り、
そして損をしていく、という定番のルートを辿りました。

チャールズ・エリス

1937年生まれ。
イェール大学卒業後、ハーバード・ビジネス・スクールで最優秀MBA。
ロックフェラー基金、ドナルドソン・ラフキン・ジュンレットを経て、
1972年にグリニッジ・アソシエイツを設立して、2001年まで代表パートナーとして活躍。
米国公認証券アナリスト協会会長、バンガード取締役などを歴任。
ハーバード・ビジネス・スクール、イェール大学大学院で上級運用理論を教え、
大手年金財団や政府機関に投資助言をおこなっている。

著書
『キャピタル 驚異の資産運用会社』
『チャールズ・エリスのインデックス投資入門』などがあります。

結論

投資初心者にとっては、インデックス投資が最強!というのが一番の主張。
むしろ、初心者だけではなく、大部分の投資家にとっては、インデックス投資がベストであるという事が結論。

根拠

市場はプロの機関投資家が取引の90%をおこなっており、個人投資家は1割にも満たない。

さらにプロの投資家は、優秀な人たちが、さらに金融教育を受けてきており、その人たちが最先端の理論、最先端の技術、最先端の機器を使って、鎬を削っています。

そんな優秀な人たちでさえ、市場平均を超える利益をあげるのは難しい。

それなのに、個人投資家に市場平均を超える成績を出すことが出来るでしょうか?
答えは、インデックスファンドに投資しよう!という事です。

この本を読むと、「何を当たり前の事を言っているのだろう。」と思うかもしれませんが、実際に株式投資などを始めると、自分だけは勝てる!という幻想(もしくは妄想)を抱いてしまうものなのです。
私も、もちろんそうでした。

インデックス投資のメリット

  1. 成績が良い。
    安定して、高い利回りを出してくれる。
  2. 売り買いの回数が少なくて済む。
    売り買いが多くなればなるほど、手数料、税金などコストがかさんでくる。
  3. 上がり下がりに振り回されにくい。
    淡々と積み立てていくだけなので、上がったら売る、下がったら買うなど、価格の上下に一喜一憂しなくて済む。
  4. 考えなくて良い。
    銘柄の選定や保有量の配分などを、インデックス投資は自動的にやってくれるので、個別の銘柄やどれくらいの資金配分をするかなどを考えなくて済む。

投資家が犯す典型的なミス

  1. 市場のタイミングを狙う。
    短期的な市場の動きを予測して売買を繰り返すことは、リスクが高く非効率的ですが、個人投資家は、短期的な値動きやブームに反応しがち。
  2. 過剰な取引をおこなう
    頻繁な売買は、コストを増大させ、リターンを削減する。具体的には高値で買って安値で売っている。売買が増えると手数料も増える。頻繁に売買すると税金も頻繁に取られることになる。
  3. 感情的な決定をしてしまう。
    恐怖や欲望に基づく判断は、投資失敗の原因となる。
    損したから取り戻そうとする。株が爆上げして、取り残されまいと高値で飛びつく、等。

ここも全くこの通りでした。
タイミングを狙ったつもりで、高値で買って、値下がりする。
どんどん株価が上がっていき、取り残されまいと慌てて買ってしまう。
大きく下がってしまい、我慢できずに売ってしまい、その後、大きく反発する。
よくある事でした。

まとめ

エリスは本書を通じて、投資の成功は「負けないこと」にあると言っています。

投資家が自身の過ちを避けて、シンプルで効率的な戦略(インデックス投資)を採用することで、リスクを抑えながら確実に資産を増やすことが可能だと述べています。

『敗者のゲーム』は、投資初心者から経験者まで、多くの人にとって指針となる一冊です。
長期的な視野を持ち、リスクを管理しながら市場に参加する重要性を学べます。

日本でも、2024年に新NISAが始まり、「S&P500」や「オルカン」が大人気で、「アメリカ最強!」「やっぱり全世界に投資でしょ!」というのを、色々なところで目にしたり耳にしました。

でも、そんな人たちも、
なんで「S&P500」なのか、
なぜ「オルカン」が良いのかは、
あまり考えないまま、積み立てている事が多かったと思います。

私も、NISAを始めた時には、
よく観ていたYouTuberさんが、
「アメリカの経済が強い。」
「全世界の成長にかける方がリスクが低い。」などと言ってる動画を観て、
なんとなく積み立てを始めました。

『敗者のゲーム』を読めば、
なんで「S&P500」なのか、
なぜ「オルカン」が良いのか、理解できると思います。

投資の神様といわれる、ウォーレン・バフェットさんも、
「わからないものには投資しない」と言われています。
皆さんも、分からないものに投資をしている状態にならないように、この本を読んで、「分かっているから投資している」となってください。

「市場に勝とうとするより、市場と上手に付き合うことが資産運用成功の秘訣」です。

もし、この記事を読んで、『敗者のゲーム』を読んでみたいなと思った方は、こちらからどうぞ。

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