指定難病18。「脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)」とは?症状・原因・介護でできる支援について分かりやすく説明します!

指定難病18「脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)」とは?

1. 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)

「歩くときにふらつく、手先がうまく動かせない、ものが話しにくくなる――」そんな変化が続く場合、脳や脊髄の一部が少しずつ機能を失っている可能性があります。

脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)は、小脳とそれに関連する神経系が変性(じょせい)する一群の疾患の総称で、原因がはっきりした外的要因(感染、中毒、腫瘍、自己免疫疾患など)によらないものが含まれます。

主に運動失調(つまり体のバランスや協調運動がうまくいかなくなる状態)や痙性対麻痺(筋肉が硬くなる下肢の障害)などを特徴とし、進行性で長期的なケアが必要です。

症状や進行速度は病型によって異なりますが、生活全般に影響しやすい指定難病です。

2. 分かりやすい説明

脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)は、体のバランスや動きを調整している**小脳(こつのう)**やその周辺の神経が、徐々に弱くなる病気の総称です。

たとえば、もしあなたが自転車に乗っているときに、小脳が少しずつ調整できなくなると、バランスを保つのが難しくなります。歩く時にふらついたり、足が思うように動かなかったり、「体のコンピューター」がうまく働かなくなるような状態です。

この病気は一つの病名ではなく、複数の遺伝性・孤発性のパターンが含まれ、どの神経細胞が影響を受けるかによって症状や進行に違いがあります。そのため、詳しい原因がわかっているものと、まだ完全には解明されていないものがあります。

症状の現れ方は人によって大きく異なりますが、共通して「体の動きをスムーズに調整できない」という特徴があります。

3. 主な症状

脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)に共通する主な症状は次の通りです:

  • 運動失調(運動の協調障害):歩行時のふらつき、バランスの不安定さ、姿勢が崩れやすい。
  • 手先の不器用さ:字を書く、箸を使う、ボタンを留めるなど細かい動作が難しくなる。
  • 言葉や嚥下の問題(話しにくさ、飲み込みにくさ):小脳が動きを調整できなくなり、ろれつが回らない、嚥下機能が低下することがある。
  • 進行性の症状:症状はゆっくり進行し、転倒や歩行困難が進む場合がある。
  • 種類によっては痙性対麻痺(筋肉が硬くなる)や末梢神経症状がみられる場合もある。

症状の種類や重さは、病型によって大きく異なります。

4. 現在分かっている原因と研究の動き

脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)は原因が多様で、はっきりと特定された原因がない運動失調症状を示す疾患群です。

  • 遺伝性のものでは、常染色体優性遺伝や劣性遺伝のパターンが知られており、小脳の神経細胞の遺伝子的異常が症状に関与するケースがあります。
  • 孤発性(遺伝歴がない)のケースも多数あり、原因が未解明のまま症状が進むものも含まれています
  • 研究は主に遺伝子解析や神経変性のメカニズム、進行予測モデル、リハビリテーション効果の評価などが進行中です。

5. 治療法

現在、脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)を根本的に治す治療法は確立されていません

しかし、症状の緩和や進行抑制、生活機能の維持を目標とした治療や支援が行われています:

  • リハビリテーション:定期的な理学療法・作業療法でバランス・歩行訓練を行い、転倒防止や運動機能維持を図ります。集中トレーニングは効果が持続すると報告されています。
  • 対症療法:言語療法、嚥下機能訓練、歩行補助具の利用など、日常生活を支えるケア。
  • 多職種チームケア:医師、理学療法士、看護師、介護職、栄養士などが連携し、包括的ケアを実施。

薬物療法については、病型によって有効性が異なり、一般的な進行を止める薬はありません。

6. 患者数

詳細な最新患者数の公式統計は公表されていませんが、脊髄小脳変性症全体(多系統萎縮症を除かない場合)では、全体で全国におよそ3万人以上と推定されています

この中には遺伝性・孤発性・痙性対麻痺など多様な病型が含まれています。個々の病型ごとの国内患者数は比較的少数ですが、運動失調症状を伴う神経変性疾患としては重要な疾患群です。

7. 家族・介護職が意識したい支援のポイント

脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)に対応する家族・介護職の支援ポイントは以下の通りです:

  • 転倒予防と安全な環境づくり:滑りにくい床、手すり、歩行補助具、夜間照明など、安全な住環境を整える。
  • 継続的なリハビリ支援:医療機関・リハビリスタッフと連携して、歩行・バランス訓練を継続。
  • 日常動作の見守り・支援:立ち上がり、歩行、食事、嚥下・言語の支援、十分な休息と栄養管理。
  • 心理的サポート:病状の進行に伴い不安やストレスが出ることがあるため、家族・支援者が寄り添い、情報共有を図る。
  • 医療・福祉サービスの活用:指定難病制度の医療費助成や福祉用具貸与など制度を積極的に利用。

8. まとめ

  • 脊髄小脳変性症は、運動失調や痙性対麻痺を中心とする神経変性疾患の総称です。
  • 小脳と脊髄の神経細胞が少しずつ機能を失い、バランスや協調運動が困難になる症状が続きます。
  • 根本治療はありませんが、リハビリや生活支援によって機能の維持・改善を図ることが可能です。
  • 症状や進行速度は病型により大きく異なります。
  • 介護では安全・日常支援・環境整備・制度活用など多職種連携が重要です。

参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、今回はこの辺で失礼いたします。

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