指定難病19「ライソゾーム病」とは?
1. ライソゾーム病
体の中の”ごみ処理工場”がうまく働かなくなると、どうなるのでしょうか?
ライソゾーム病は、細胞内の不要物を分解・処理する役割を担う「ライソゾーム(細胞小器官)」の働きに異常が起こることで、体内に有害な物質がたまり、さまざまな障害が起こる病気です。
40種類以上の病型があり、発症年齢や症状は幅広く、重症化することも少なくありません。
早期発見・早期治療が重要ですが、根本的な治療法がない場合も多く、長期的な支援が必要です。
2. 分かりやすい説明
私たちの体の細胞には、それぞれに小さな「お掃除屋さん」がいます。
この役割を担っているのが「ライソゾーム」と呼ばれる器官です。
ライソゾームは、古くなったタンパク質や脂質など、細胞の中で不要になったものを分解し、リサイクルする働きをしています。
ライソゾーム病では、この分解作業をする酵素(こうそ)がうまく働かないため、体にゴミ(不要な物質)がたまり始めます。
その結果、体のさまざまな部分――脳、心臓、肝臓、骨などに悪影響が出てきます。
症状や進行の速さは人によって異なり、乳児期に重篤な症状が出ることもあれば、成人になってから発症するタイプもあります。
3. 主な症状
ライソゾーム病は40種類以上あり、病型によって症状は異なりますが、以下のような共通する特徴があります:
- 肝臓や脾臓の腫れ(肝脾腫)
- 筋力低下や運動発達の遅れ
- 骨の変形や成長障害
- 知的障害や発達障害
- 視力・聴力の低下
- けいれん発作
- 呼吸器や心臓への障害
重症型では、乳幼児期に発症し、進行が早く、数年で命に関わることもあります。
比較的軽症で成人期に発症するタイプもあり、その場合は緩やかな進行を示すこともあります。
4. 現在分かっている原因と研究の動き
ライソゾーム病は、特定の分解酵素が生まれつき働かない、あるいは働きが弱いことが原因です。
多くは遺伝性の疾患で、親から子へ「劣性遺伝」などの形で受け継がれることがあります。
遺伝子の変異が確認されている病型も多く、近年の研究により、酵素補充療法(ERT)や遺伝子治療の開発が進められています。
国内外で新薬開発が進んでおり、一部の病型には治療薬が承認されていますが、依然として多くの病型では治療法が限られています。
5. 治療法
根本的な治療が難しい病型もありますが、以下のような方法で進行を抑える・症状を軽減する治療が行われています。
- 酵素補充療法(ERT):不足している酵素を外から補う治療。適応される病型は限られる。
- 骨髄移植・造血幹細胞移植:一部の病型では進行抑制が期待できる。
- 対症療法:けいれん発作への薬物療法、理学療法、作業療法など。
- 栄養管理、呼吸管理などの全身的なケア
6. 患者数
難病情報センターのデータによると、2022年度の医療受給者証の交付件数は全国で約515名となっています(全病型合計)。
ただし、病型によっては難病指定の対象外となっているものや、診断が困難で未把握の患者もいると考えられます。
7. 家族・介護職が意識したい支援のポイント
- 発達段階に応じた生活支援:移動、食事、排泄など基本的生活動作の補助。
- 呼吸・栄養・嚥下のサポート:進行により障害が出る場合は早期に対応。
- 医療機関との連携:定期的な検査や治療スケジュールの共有。
- 精神的サポート:家族の不安やストレスも含めた支援体制の構築。
- 福祉制度の活用:医療費助成や在宅支援サービスなど。
8. まとめ
- ライソゾームの機能障害により体内に有害物質が蓄積する病気群です。
- 発症年齢や症状の出方は病型によってさまざまです。
- 一部には酵素補充療法などの治療法がありますが、根本的治療がない場合もあります。
- 日常生活への影響が大きく、家族や医療・介護職の支援が不可欠です。
- 早期発見と多職種連携が、生活の質を支える鍵となります。
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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