指定難病24。『亜急性硬化性全脳炎』とは?症状・原因・介護でできる支援について分かりやすく説明します!【介護】

指定難病24『亜急性硬化性全脳炎(SSPE)』とは?


1.亜急性硬化性全脳炎(SSPE)

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は、麻疹(はしか)ウイルスが原因となり、感染後数年を経て脳に慢性炎症を引き起こす、進行性の脳疾患です。

発症すると、認知機能や運動機能に影響を及ぼし、時間とともに重篤な状態へ進行します。
多くの場合、小児期または思春期に発症し、まれな疾患ながら予後は厳しく、家族や介護者にとっても大きな支援が必要な難病です。

2.分かりやすい説明

亜急性硬化性全脳炎は、はしかのウイルスが脳に潜んで、数年後に悪さを始める病気です。

たとえるなら、昔治ったと思っていた「火種」が、静かに脳の中で燃え続けていたようなものです。

ある日突然、勉強がうまくできなくなったり、言葉が出にくくなったり、手足が思うように動かなくなったりします。
時間がたつと、だんだん症状が進み、体を動かすことも、話すことも難しくなることがあります。

3.症状

SSPEの症状はゆっくりと進行するのが特徴です。初期には、以下のような変化が見られます。

  • 成績の低下、無気力などの認知機能の変化
  • 意識がぼんやりする
  • 筋肉がピクピク動く(ミオクローヌス)
  • 歩きにくくなる
  • 言葉が出にくい、話さなくなる

進行すると、寝たきりとなり、最終的には昏睡状態に至るケースもあります。

4.現在分かっている原因と研究の動き

SSPEの原因は、麻疹(はしか)ウイルスの感染後、ウイルスの一部が脳に残り、数年かけて異常な形で増殖することによって脳の神経細胞を破壊していくことです。

予防接種によって麻疹の感染を防ぐことが最も有効な予防策とされています。
研究は続けられていますが、未だ根本的な治療法は確立されていません。

5.治療法

現在のところ、SSPEに対する決定的な治療法は確立されていません。しかし、以下のような治療が試みられています。

  • 抗ウイルス薬(イノシンプラノベクスなど)の使用
  • 免疫療法(インターフェロン注射など)
  • 症状を緩和するための抗けいれん薬
  • 理学療法・作業療法による機能維持支援

治療は、病気の進行を少しでも遅らせることを目的に行われます。

6.患者数

最新のデータでは、日本国内の推定患者数は100人未満とされており、極めて稀な疾患です。
ただし、麻疹の流行状況やワクチン接種率によっては、今後再び増加する可能性もあるため、注意が必要です。

7.家族・介護職が意識したい支援のポイント

SSPEは進行性の疾患であるため、介護においては以下の点が重要です。

  • 初期の段階では精神的サポートを重視:本人が混乱しやすいため、安心できる環境づくりが大切です。
  • ミオクローヌスなどの動きに対する転倒防止策:手すりや床マットなどの環境整備を行いましょう。
  • コミュニケーション手段の確保:言葉が出にくくなる時期には、絵カードや視線による意思表示支援が役立ちます。
  • 褥瘡(床ずれ)や拘縮(関節が固くなる)の予防:体位変換やストレッチを定期的に行いましょう。
  • 医療との連携:訪問診療や緩和ケアチームなどの支援を活用することも視野に入れましょう。

8.まとめ

  • 麻疹ウイルスが原因で数年後に発症する進行性の脳疾患です。
  • 初期は学習や行動の変化から始まり、徐々に運動機能も低下します。
  • 有効な治療法は未確立で、進行を遅らせる治療が中心です。
  • 介護では環境整備と精神的サポートが重要です。
  • 予防には麻疹ワクチンの接種が極めて効果的です。

参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、今回はこの辺で失礼いたします。

次の記事はこちらです。👇
https://hajimetenokaigo.com/nanbyo-25/

コメント