【指定難病70】『広範脊柱管狭窄症』とは?症状・原因・介護でできる支援について分かりやすく説明します。【介護】

■① 病気の説明

広範脊柱管狭窄症は、脊柱管と呼ばれる神経の通り道が背骨の広い範囲にわたって狭くなることで、神経が圧迫される病気です。
その結果、足のしびれや痛み、歩きにくさ(間欠性跛行)などが生じます。

進行すると、長時間歩くことが難しくなり、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
特に高齢者に多くみられ、複数の部位にわたることが特徴です。

■② 分かりやすい説明

背骨の中には、神経が通るトンネルのような空間(脊柱管)があります。
このトンネルが狭くなると、神経が圧迫されてしまいます。

例えば、水道ホースを踏むと水の流れが悪くなるように、神経の通り道が狭くなることで、足にしびれや痛みが出ます。
少し休むと楽になるのが特徴で、「歩く→休む→また歩く」を繰り返すことが多いです。

■③ 症状

・歩くと足にしびれや痛みが出る(間欠性跛行)
・長時間立っていられない
・足の力が入りにくくなる
・腰や下肢の違和感や痛み
・進行すると排尿・排便障害が出ることもある

■④ 原因

加齢に伴う背骨の変形(骨や靭帯の肥厚など)が関係していると考えられています。
ただし、なぜ広範囲に狭窄が起こるのかについては、はっきり分かっていない部分もあります。

■⑤ 治療

根本的に完全に治す治療法は確立されていないとされています。
主に以下のような対症療法が行われます。

・痛み止めなどの薬物療法
・リハビリテーション(筋力維持、歩行訓練)
・神経ブロック注射
・症状が強い場合は手術が検討されることもある

■⑥ 患者数

広範脊柱管狭窄症単独の正確な患者数は明確には示されていません。
令和2年度の特定医療費(指定難病)医療受給者証の所持者数は5,125人となっています。

ただし、脊柱管狭窄症自体は高齢者に比較的多くみられる疾患です。

■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防

・廊下やトイレに手すりを設置する
・段差をなくす、またはスロープを設置する
・滑りにくい靴やマットを使用する
・夜間は足元灯を設置し視界を確保する


② 動作支援

・歩行時は無理に長距離を歩かせず、休憩を前提にする
・歩行器や杖の使用を検討する
・前かがみ姿勢で楽になる場合は、それを尊重する(カート使用など)
・椅子やベッドの高さを調整し立ち上がりやすくする


③ 疲労管理

・「歩ける距離」を把握し、無理をさせない
・こまめに座れる場所を確保する
・外出時は休憩ポイントを事前に決めておく
・症状が出る前に休む習慣をつける


④ 環境調整

・よく使う物は手の届く位置に配置する
・移動距離を短くする家具配置にする
・トイレや寝室を近くに配置する
・階段の使用を減らす生活動線にする


⑤ 心理的サポート

・「歩けないこと」を責めない声かけをする
・できたこと(歩けた距離など)を具体的に伝える
・外出機会を減らしすぎないよう調整する
・痛みや不安の訴えを否定せず、状況を一緒に確認する

■⑧ まとめ

・脊柱管が広範囲で狭くなり神経が圧迫される病気
・歩行時のしびれや痛みが特徴
・休むと回復する「間欠性跛行」がみられる
・根本治療は確立されていない
・介護では「無理をさせない環境づくり」が重要


参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。

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