【指定難病71】『特発性大腿骨頭壊死症』とは?症状・原因・介護でできる支援について分かりやすく説明します。【介護】

■① 病気の説明

特発性大腿骨頭壊死症は、股関節の一部である大腿骨頭に血液が十分に届かなくなることで、骨の組織が壊死してしまう病気です。
進行すると骨がつぶれ、股関節の痛みや動かしにくさが生じます。

歩行や立ち上がりなど日常生活に大きな影響を及ぼし、重症の場合は関節の変形につながることもあります。
早期には症状が軽い場合もあり、気づきにくいことがある点も特徴です。

■② 分かりやすい説明

股関節は、太ももの骨(大腿骨)の先端が丸くなっていて、骨盤にはまり込む形で動いています。
この丸い部分に血液が届かなくなると、骨が弱くなり、体重を支えきれずにつぶれてしまいます。

たとえば、
「椅子から立ち上がるときに股関節がズキッと痛む」
「歩くと足の付け根が痛くて長く歩けない」
といった状態が続く場合、この病気が疑われることがあります。

■③ 症状

・股関節(足の付け根)の痛み
・歩行時の違和感や痛み
・可動域の低下(足が動かしにくい)
・進行すると安静時にも痛みが出る
・脚を引きずるような歩き方になる

■④ 原因

はっきりとした原因は分かっていません(特発性)。
ただし、以下との関連が指摘されています。

・ステロイド薬の使用
・アルコールの多量摂取
・外傷や血流障害

ただし、これらが必ず原因になるとは限らず、詳しい発症の仕組みは解明されていない部分もあります。

■⑤ 治療

根本的に壊死した骨を元に戻す治療は確立されていません。
そのため、症状や進行度に応じた対症療法が行われます。

・痛み止めの使用
・杖などによる負担軽減
・リハビリ(関節の可動域維持)
・進行例では手術(骨切り術や人工関節置換など)

■⑥ 患者数

日本では数万人規模とされていますが、正確な患者数は変動があり、明確には分かっていない部分もあります。
日本全国における1年間の新規発生数は約2,000~3,000人と言われていました。

■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防

・床の滑り止めマットを設置する
・段差をなくす、または目立つようにする
・手すり(トイレ・廊下・浴室)を設置する
・歩行時は必要に応じて見守りや付き添いを行う

② 動作支援

・立ち上がり時は高めの椅子を使用する
・股関節に負担がかからない姿勢を意識する(深くしゃがませない)
・靴下やズボンの着脱は補助具を活用する
・杖や歩行器の使用をサポートする

③ 疲労管理

・長時間の歩行や立位を避けるよう声かけする
・外出や活動は短時間で区切る
・痛みが強い日は無理に動かさない
・休憩しやすい環境(椅子配置など)を整える

④ 環境調整

・生活動線を短くする(よく使う物は近くに配置)
・ベッドや椅子の高さを調整する
・トイレや浴室までの移動を安全にする配置にする
・和式より洋式の生活環境へ変更する

⑤ 心理的サポート

・「痛みがあること」を前提に無理のない介助を行う
・できる動作は本人に任せ、過介助を避ける
・活動制限によるストレスを軽減するため、代替手段(座位での作業など)を提案する
・痛みや不安を訴えやすい関係づくりを意識する

■⑧ まとめ

・股関節の骨が壊死し、痛みや歩行障害が出る病気
・原因は完全には解明されていない
・進行すると関節の変形につながる可能性がある
・治療は症状を抑える対症療法が中心
・介護では「負担軽減・転倒予防・環境調整」が重要

参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。


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