【指定難病99】『慢性特発性偽性腸閉塞症』とは?症状・原因・介護でできる支援について分かりやすく説明します。【介護】

■① 病気の説明

慢性特発性偽性腸閉塞症は、腸に明らかな詰まり(腫瘍や異物など)がないにもかかわらず、腸の動きが低下することで腸閉塞のような症状が現れる病気です。
腸の内容物がうまく運ばれず、腹部膨満や嘔吐、便秘などが繰り返し起こります。

慢性的に症状が続くことが多く、栄養状態の悪化や体力低下につながる場合もあり、長期的な管理と支援が必要とされています。

■② 分かりやすい説明

本来、腸は食べたものを順番に送り出す動きをしていますが、この病気ではその動きが弱くなったり止まったりします。

例えば、ベルトコンベアが途中で止まってしまい、物が流れなくなる状態に近いイメージです。

その結果、食べたものやガスが腸の中に溜まり、強い張りや吐き気が起こります。見た目は腸閉塞と似ていますが、実際には物理的な詰まりがない点が特徴です。

■③ 症状

・腹部膨満(お腹の張り)
・吐き気・嘔吐
・便秘または排便困難
・腹痛
・食欲低下

■④ 原因

はっきりとした原因は分かっていません。

ただし、以下の関与が考えられています。
・腸の筋肉の異常
・腸の神経の異常

これらにより腸の動き(蠕動運動)が低下すると考えられていますが、詳細な発症の仕組みは不明です。

■⑤ 治療

現時点で根本的に治す治療法は確立されていません。

主な治療は以下の通りです。
・腸の動きを促す薬
・吐き気や痛みを抑える対症療法
・栄養管理(点滴や経腸栄養など)

重症の場合は、減圧処置や外科的対応が検討されることもあります。症状のコントロールと栄養維持が重要です。

■⑥ 患者数

成人例での調査では我が国に1100人程度の患者さんがいることが調べられています。
小児例では、100人程度の患者さんがいることが調べられています。

日本における患者数は多くはなく、比較的まれな疾患とされています。
正確な人数は明確でない部分もあり、今後の調査が進められています。

■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防

・腹痛や吐き気によるふらつきに備え、移動時は見守りや介助を行う
・床に物を置かず、安全な動線を確保する
・夜間のトイレ移動に備えて照明を設置する

② 動作支援

・体調不良時は無理に動かさず、移動介助を行う
・食後はすぐ横になれるよう環境を整える
・腹部の張りが強い場合は楽な姿勢を取れるよう支援する

③ 疲労管理

・栄養不足により疲れやすいため、活動と休息のバランスを調整する
・短時間の活動を積み重ねる形にする
・体調の変化を観察し、無理のない範囲で過ごす

④ 環境調整

・食事は少量ずつ複数回に分ける(医師の指示に従う)
・腹部を圧迫しない衣類を選ぶ
・トイレや休憩場所をすぐ使えるよう整備する

⑤ 心理的サポート

・食事が思うように取れないことへの不安に配慮する
・症状が慢性的に続くため、焦らせず見守る
・体調の波を前提にした声かけを行う

■⑧ まとめ

・腸に詰まりがないのに動きが低下する病気
・腹部膨満や嘔吐などの症状が出る
・原因は明確に分かっていない
・治療は症状のコントロールと栄養管理が中心
・介護では「食事管理」と「体調変化への対応」が重要


参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。

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