【指定難病127】『前頭側頭葉変性症』とは?症状・原因・介護でできる支援について分かりやすく説明します。【介護】

■① 病気の説明

前頭側頭葉変性症は、脳の前頭葉や側頭葉が徐々に萎縮し、行動や言語、感情のコントロールに影響が出る進行性の病気です。
アルツハイマー病とは異なり、初期から性格や行動の変化が目立つことが特徴です。

社会的なルールを守れなくなる、同じ行動を繰り返すなどの変化がみられ、日常生活や対人関係に影響を及ぼします。
進行すると言葉の理解や発語にも障害が現れることがあります。


■② 分かりやすい説明

この病気は、「考え方」や「行動のコントロール」をつかさどる脳の部分が弱くなっていく状態です。

例えば、今まで穏やかだった人が急に怒りっぽくなったり、同じことを何度も繰り返したりすることがあります。また、場に合わない発言をしてしまうなど、社会的な行動が難しくなることもあります。物忘れよりも、こうした性格や行動の変化が先に目立つのが特徴です。


■③ 症状

・性格や行動の変化(怒りやすい、無関心など)
・常同行動(同じ行動を繰り返す)
・社会的ルールの理解低下
・言語障害(言葉が出にくい、理解しにくい)
・判断力の低下


■④ 原因

はっきりとした原因は分かっていません。

一部では遺伝子の関与(MAPTやGRNなど)が指摘されていますが、すべての患者に当てはまるわけではなく、発症の仕組みには不明な点が残されています。


■⑤ 治療

根本的な治療法は確立されていないとされています。

・行動や症状に応じた薬物療法
・環境調整による行動の安定化
・リハビリテーション(言語訓練など)

症状の進行を完全に止めることは難しく、生活の中での対応が重要になります。


■⑥ 患者数

日本での正確な患者数は明確には分かっていません。
ただし、若年性認知症の原因の一つとして知られており、一定数の患者がいるとされています。

正確な数は不明ですが、約12,000人程度の患者さんが日本にいると推定されています。


■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・衝動的な行動があるため、危険物(刃物や火気)の管理を徹底する
・外出時は見守りを行い、迷子や事故を防ぐ

② 動作支援
・指示が通りにくい場合は、短く具体的な言葉で一つずつ伝える
・動作を一緒に行いながら手順を示す

③ 疲労管理
・刺激により行動が不安定になるため、活動と休息のバランスをとる
・長時間の外出や人混みを避ける

④ 環境調整
・生活リズムを固定し、毎日同じ流れで行動できるようにする
・物の配置を変えず、混乱を防ぐ
・不要な刺激(音・光)を減らす

⑤ 心理的サポート
・行動の変化を「わざと」と捉えず、病気の影響として理解する
・否定や叱責を避け、落ち着いて対応する
・安心できる関係性を保ち、ストレスを減らす


■⑧ まとめ

・前頭葉と側頭葉の萎縮による進行性疾患
・性格や行動の変化が初期から目立つ
・原因は不明な点が多く、遺伝の関与もある
・根本治療は確立されていない
・介護では環境調整と関わり方が重要


参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。

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