【指定難病62】『発作性夜間ヘモグロビン尿症』とは?症状・原因・介護でできる支援について分かりやすく説明します。【介護】

■① 病気の説明

発作性夜間ヘモグロビン尿症は、赤血球が壊れやすくなることで起こる血液の病気です。
壊れた赤血球の成分(ヘモグロビン)が尿に混ざるため、特に朝に赤褐色の尿が見られることがあります。

また、貧血による疲労感や息切れに加え、血栓(血のかたまり)ができやすくなることが特徴です。
症状の程度はさまざまで、重症の場合には生命に関わる合併症が起こることもあり、継続的な医療管理が重要とされています。

■② 分かりやすい説明

血液の中の赤血球は、酸素を運ぶ役割をしています。

発作性夜間ヘモグロビン尿症では、この赤血球が壊れやすくなってしまいます。

たとえば、水風船がちょっとした刺激で破れてしまうような状態です。壊れた赤血球の中身が体の外に出てしまい、尿に混ざることで色が濃くなります。また、血液のバランスが崩れることで、血のかたまり(血栓)ができやすくなることもあります。

■③ 症状

・赤褐色の尿(特に朝)
・強い疲労感、だるさ(貧血)
・息切れ、動悸
・血栓による症状(腹痛、頭痛など)
・飲み込みにくさ(食道の違和感)

■④ 原因

発作性夜間ヘモグロビン尿症は、造血幹細胞の遺伝子に変化が起こることで発症すると考えられています。

この変化により、赤血球が補体(免疫の一部)によって壊されやすくなる状態になります。

ただし、なぜその遺伝子変化が起こるのかについては、十分に解明されていない点もあります。

■⑤ 治療

根本的な治療としては造血幹細胞移植が検討される場合があります。

そのほか、以下のような治療が行われます。
・補体の働きを抑える薬(溶血の抑制)
・輸血による貧血の改善
・血栓予防の治療

症状や重症度に応じて治療が選択されます。

■⑥ 患者数

令和5年度の医療受給者証保持者数は、1121人でした。
日本では比較的まれな疾患であり、患者数は多くないとされています。
詳細な人数は調査により異なるため、明確な数は一定していません。

■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防

・貧血によるふらつきに注意し、移動時は見守りや介助を行う
・立ちくらみ防止のため、ゆっくり動くよう声かけする
・夜間の移動に備えて照明を確保する

② 動作支援

・疲労が強い時は無理をさせず、動作をサポートする
・長時間の立位や移動を避ける
・必要に応じて歩行補助具を使用する

③ 疲労管理

・活動と休息をこまめに切り替える
・体調(だるさ・息切れ)の変化を観察する
・無理のないスケジュールを組む

④ 環境調整

・トイレを近くに配置し、移動負担を減らす
・清潔な環境を保ち、感染予防に配慮する
・必要物品を取りやすい位置に配置する

⑤ 心理的サポート

・慢性的な症状や再発への不安を傾聴する
・症状の変化に気づいた際は医療機関へつなぐ安心感を提供する
・治療内容を理解しやすく共有し、不安軽減につなげる

■⑧ まとめ

・赤血球が壊れやすくなる血液の病気
・赤い尿や貧血、血栓が特徴
・遺伝子変化が関与するが詳細は不明な点もある
・治療は薬物療法や移植などがある
・介護では疲労管理と血栓リスクへの配慮が重要


参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。

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