■① 病気の説明

多発性嚢胞腎は、腎臓の中に多数の嚢胞(液体がたまった袋)ができることで、腎臓が徐々に大きくなり、機能が低下していく病気です。
進行はゆっくりな場合が多いですが、長い年月をかけて腎機能が悪化し、最終的に腎不全に至ることもあります。
初期には自覚症状が少ないこともありますが、進行すると高血圧や腹部の張り、血尿などがみられることがあります。
継続的な経過観察と管理が重要とされています。
■② 分かりやすい説明

腎臓は、体の中の不要なものをろ過する「フィルター」の役割をしています。
多発性嚢胞腎では、この腎臓の中に水風船のような袋(嚢胞)がたくさんできてしまいます。
たとえば、スポンジの中に水風船がたくさん詰まると、水をうまく通せなくなりますよね。同じように、腎臓の働きが徐々に弱くなっていきます。その結果、体の中に不要なものがたまりやすくなります。
■③ 症状

・高血圧
・腹部の張りや痛み
・血尿
・むくみ
・進行すると腎機能低下
■④ 原因
遺伝子の異常が関与しているとされています。
特に家族内で発症するケースが多く、遺伝性の病気として知られています。
ただし、詳しい発症の仕組みについては、すべてが明らかになっているわけではありません。
■⑤ 治療

根本的に治す治療法は確立されていないとされています。
主に進行を抑えるための治療が行われます。
・血圧管理(降圧薬)
・嚢胞の増大を抑える薬
・食事療法(塩分制限など)
・進行した場合は透析や腎移植
状態に応じて長期的な管理が必要です。
■⑥ 患者数

わが国の患者数は約31,000人と推定されています。
日本では比較的多い遺伝性腎疾患の一つとされていますが、難病指定の対象となる重症例に限ると、正確な患者数は一定していません。
■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・むくみや体調不良によるふらつきに注意し、移動時は見守る
・夜間のトイレ移動時に照明を確保する
・急な立ち上がりを避けるよう声かけする
② 動作支援
・腹部の張りや疲労に配慮し、無理のない動作を促す
・重い物を持つ動作は避けるよう支援する
・必要に応じて日常動作をサポートする
③ 疲労管理
・体調に合わせて活動量を調整する
・こまめに休憩をとるよう促す
・だるさや体調変化を日々観察する
④ 環境調整
・減塩食など食事管理がしやすい環境を整える
・水分管理が必要な場合は医師の指示に従う
・生活動線を短くし、負担を軽減する
⑤ 心理的サポート
・長期的な病気への不安を傾聴する
・家族歴がある場合の不安にも配慮する
・医療者と連携し、安心して生活できる環境を整える
■⑧ まとめ
・腎臓に嚢胞が多発し、機能が低下する病気
・高血圧や血尿などがみられる
・遺伝が関与するとされるが不明点もある
・治療は進行を抑えることが中心
・介護では体調管理と生活・食事支援が重要
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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