【指定難病36】
『表皮水疱症』とは?
① 病気の説明

表皮水疱症は、皮膚や粘膜が非常に弱くなることで、わずかな摩擦や刺激でも水ぶくれ(水疱)やただれが生じる遺伝性の病気です。皮膚の構造を保つタンパク質に異常があるため、外部からの刺激に耐えられなくなります。重症の場合は、皮膚だけでなく口の中や食道などにも症状が現れ、日常生活に大きな影響を及ぼします。感染や栄養障害のリスクもあり、継続的なケアが重要です。
② 分かりやすい説明

健康な皮膚は、外からの刺激に対してクッションのような役割をしていますが、表皮水疱症ではその「つなぎ目」が弱くなっています。
たとえば、普通なら問題ない「服がこすれる」「少しぶつかる」といった刺激でも、皮膚がめくれて水ぶくれができてしまいます。
そのため、日常生活の中でも「できるだけ刺激を減らす工夫」がとても重要になります。
③ 症状

・軽い摩擦で水ぶくれや皮膚のはがれが起こる
・傷が治りにくく、繰り返しできる
・痛みやかゆみを伴う
・口の中や食道に水疱ができ、食事が難しくなることがある
・重症例では皮膚の変形や癒着が起こることがある
④ 原因
皮膚の構造を支えるタンパク質(コラーゲンなど)に関係する遺伝子の異常が関与していると分かっています。
ただし、どの遺伝子がどの程度影響するかなど、詳しい仕組みについてはすべてが解明されているわけではありません。
⑤ 治療

現在のところ、根本的に治す治療法は確立されていません。
そのため、主に以下のような対症療法が行われます。
・傷の保護と適切な処置
・感染予防のためのケア
・痛みのコントロール
・栄養管理
症状に応じて継続的な医療的ケアが必要になります。
⑥ 患者数

日本における正確な患者数は明確ではありませんが、日本国内には、約500~1000人の患者さんがいると予想されます。
非常にまれな疾患とされています。
⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・床に物を置かない、動線を確保する
・クッション材や保護マットを使用する
・家具の角にカバーをつける
② 動作支援
・移動や更衣はゆっくり行い、摩擦を最小限にする
・持ち上げる際は皮膚を引っ張らないように支える
・滑りやすい素材の衣類や寝具を使用する
③ 疲労管理
・痛みや処置による負担が大きいため、こまめに休憩をとる
・無理な活動を避け、体調に合わせてスケジュール調整する
④ 環境調整
・室温・湿度を適切に保つ(乾燥や汗を防ぐ)
・刺激の少ない衣類(縫い目が少ないもの)を選ぶ
・ベッドや椅子に柔らかいクッションを使用する
⑤ 心理的サポート
・処置や痛みに対する不安を軽減するため、事前に説明する
・本人のペースを尊重し、選択できる場面を作る
・外見の変化によるストレスに配慮し、安心して話せる環境を整える
⑧ まとめ
・皮膚が非常に弱く、摩擦で水ぶくれができる病気
・遺伝子の異常が関係していると考えられている
・根本的な治療法は確立されていない
・日常生活では「刺激を減らす工夫」が重要
・介護では皮膚保護と安全な環境づくりが中心となる
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
次の記事はこちらです。👇
https://hajimetenokaigo.com/nanbyo-37/

コメント