【指定難病35】『天疱瘡』とは?症状・原因・介護でできる支援、について分かりやすく説明します。【介護】

【指定難病35】
『天疱瘡』とは?

① 病気の説明

天疱瘡は、皮膚や口の中などの粘膜に水ぶくれ(水疱)やただれ(びらん)ができる自己免疫疾患です。
体の免疫が誤って自分の皮膚の細胞同士をつなぐタンパク質を攻撃することで、皮膚がはがれやすくなります。
症状が進むと、食事や会話が困難になったり、感染症のリスクが高まることがあります。

② 分かりやすい説明

本来、皮膚は細胞同士がしっかりくっついていますが、天疱瘡ではその「接着剤」の役割をする部分が壊れてしまいます。
そのため、少し触れただけでも皮膚がはがれてしまう状態になります。

例えば、服がこすれただけで皮膚に傷ができたり、口の中に痛みが出て食事がしにくくなることがあります。
見た目以上に痛みや不快感が強いのが特徴です。

③ 症状

・皮膚に水ぶくれ(水疱)ができる
・水ぶくれが破れてただれ(びらん)になる
・口の中や喉の痛み
・皮膚の痛みやヒリヒリ感
・感染症にかかりやすくなる

④ 原因

自己免疫の異常により、皮膚の細胞同士をつなぐタンパク質(デスモグレイン)が攻撃されることが分かっています。
ただし、なぜこのような免疫異常が起こるのかについては、はっきりとは分かっていません。

⑤ 治療

現時点で根本的に完治させる治療法は確立されていません。
主に以下の治療が行われます。

・ステロイド薬による炎症の抑制
・免疫抑制剤の使用
・抗体療法(生物学的製剤など)
・感染予防や創部ケアなどの対症療法

症状のコントロールが重要になります。

⑥ 患者数

日本国内の患者数はおよそ数千人とされていますが、正確な人数は変動があり、明確には分かっていません。

⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・皮膚が非常に弱いため、家具の角にクッション材をつける
・滑りにくい床材やマットを使用する
・転倒時の皮膚損傷を防ぐため、動線を整理する

② 動作支援
・着替え時はゆっくり行い、皮膚を引っ張らない
・前開きの衣類や柔らかい素材の服を選ぶ
・入浴時はタオルで強くこすらず、押さえるように拭く

③ 疲労管理
・痛みや炎症で体力を消耗しやすいため、こまめに休憩を取る
・長時間の活動を避け、スケジュールに余裕を持たせる

④ 環境調整
・室温や湿度を適切に保ち、皮膚の乾燥を防ぐ
・清潔な環境を保ち、感染リスクを減らす
・寝具は柔らかく刺激の少ないものを使用する

⑤ 心理的サポート
・見た目の変化や痛みによる不安に配慮し、安心して話せる環境を作る
・食事や会話が難しい場合も、無理に促さず本人のペースを尊重する
・治療や生活について、医療者と連携しながら情報共有する

⑧ まとめ

・天疱瘡は皮膚や粘膜に水ぶくれができる自己免疫疾患
・皮膚が非常に弱く、日常生活でも傷つきやすい
・原因は免疫異常だが、詳細は分かっていない
・治療は症状を抑える対症療法が中心
・介護では「皮膚を守る支援」と「感染予防」が重要


参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。

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