■① 病気の説明

クッシング病は、脳の下垂体にできる腫瘍などにより、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が過剰に分泌され、その結果、副腎からコルチゾールというホルモンが過剰になる病気です。
コルチゾールは体のストレスに対応する重要なホルモンですが、過剰になると肥満や高血圧、糖尿病、筋力低下、皮膚の変化などさまざまな全身症状が現れます。
進行すると日常生活に支障をきたすことがあります。
■② 分かりやすい説明

コルチゾールは「ストレスに対抗するホルモン」です。
本来は体を守る働きをしますが、多すぎると逆に体に負担をかけてしまいます。
例えば、
・顔だけ丸くなる(満月様顔貌)
・お腹まわりに脂肪がつく
・筋力が落ちて階段がつらくなる
といった変化が見られます。
つまり、「体を守るはずのホルモンが多すぎて、体を弱らせてしまう状態」と考えると理解しやすいです。
■③ 症状

・中心性肥満(お腹まわりに脂肪がつく)
・満月様顔貌(顔が丸くなる)
・高血圧、糖尿病
・筋力低下、疲れやすさ
・皮膚が薄くなる、あざができやすい
■④ 原因
・下垂体腺腫によりACTHが過剰に分泌されることが原因とされている
・その結果、副腎からコルチゾールが過剰に分泌される
※発症の詳しい仕組みについては、すべてが明らかになっているわけではありません。
■⑤ 治療

・下垂体腫瘍の手術が検討される
・薬物療法でホルモン分泌を抑える治療が行われる
・放射線治療が選択される場合もある
※治療後もホルモンバランスの調整が必要になることがあります。
※完全に正常化するまで時間がかかる場合があります。
■⑥ 患者数

日本における正確な患者数は明確ではありませんが、比較的まれな病気とされています。
最近の頻度は不明ですが、1965~86年にかけて行われた全国調査では、平均して年に約100症例の新たなクッシング症候群が発症し、そのうち副腎性が50%、クッシング病が40%程度と考えられています。
■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・筋力低下により転倒しやすいため、手すりを設置する
・滑りにくい床材やマットを使用する
・移動時は見守りや付き添いを行う
② 動作支援
・立ち上がりや階段昇降時に介助を行う
・無理な動作を避けるよう声かけをする
・疲労時はすぐに休める環境を整える
③ 疲労管理
・疲れやすいため、活動時間を短く区切る
・日中の休憩時間を確保する
・体調に応じて予定を調整する
④ 環境調整
・感染症にかかりやすくなるため、清潔な環境を保つ
・室温や湿度を適切に管理する
・通院や服薬の管理をサポートする
⑤ 心理的サポート
・外見の変化に対する不安に配慮する
・体調の波があることを理解し、無理をさせない
・本人のペースを尊重しながら日常生活を支える
■⑧ まとめ
・ホルモン過剰により全身に影響が出る病気
・肥満や高血圧、筋力低下などが特徴
・原因は下垂体腫瘍が関与
・治療は手術や薬物療法が中心
・介護では転倒予防と体力管理が重要
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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