■① 病気の説明

下垂体性PRL分泌亢進症は、脳の下にある下垂体という器官から分泌される「プロラクチン」というホルモンが過剰になる病気です。このホルモンは本来、出産後の母乳分泌に関わりますが、過剰になることで女性では月経異常や不妊、男性では性欲低下や勃起障害などが見られます。
また、原因によっては下垂体腫瘍が関与している場合もあり、頭痛や視野障害などが起こることもあります。
■② 分かりやすい説明

プロラクチンは「母乳を出すためのホルモン」です。
本来は出産後に増えるものですが、それ以外のタイミングで増えすぎると体のバランスが崩れてしまいます。
例えば、女性の場合は
「生理が来ない」「母乳のような分泌物が出る」などの症状が出ることがあります。
男性の場合でも、
「やる気が出ない」「性機能の低下」などが起こることがあります。
つまり、「本来必要な時期ではないのにホルモンが多すぎる状態」と考えると分かりやすいと思います。
■③ 症状

・月経不順、無月経
・乳汁分泌(妊娠していないのに母乳が出る)
・不妊
・性欲低下、勃起障害(男性)
・頭痛や視野障害(腫瘍がある場合)
■④ 原因
・下垂体腺腫(プロラクチンを分泌する腫瘍)が関与することがある
・薬剤(向精神薬など)の影響で起こる場合がある
・その他の原因も指摘されているが、すべてが明確に解明されているわけではない
※原因が特定できない場合もあります。
■⑤ 治療

・薬物療法(ドパミン作動薬など)が基本となる
・腫瘍が大きい場合は手術や放射線治療が検討されることもある
※完治が難しいケースもあり、長期的な管理が必要になる場合があります。
※症状をコントロールする対症療法が中心です。
■⑥ 患者数

日本における正確な患者数は明確には示されていません。
ただし、下垂体腫瘍の中では比較的多いタイプとされています。
1998年1年間の推定受療患者数が、プロラクチノーマを含むプロラクチン分泌過剰症で12,400名と報告されています。
■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・視野障害がある場合、家具の配置を固定する
・段差に目印テープを貼る
・夜間は足元灯を設置する
② 動作支援
・めまいや倦怠感がある場合は立ち上がり時に見守る
・急な体調変化に備え、無理な動作を避ける声かけを行う
③ 疲労管理
・ホルモンバランスの乱れによる疲労感に配慮する
・活動と休息の時間をあらかじめ決める
・長時間の作業を避け、こまめに休憩を入れる
④ 環境調整
・通院しやすいようにスケジュール管理を支援する
・薬の飲み忘れを防ぐため、服薬カレンダーを使用する
・ストレスを軽減するため、静かな環境を整える
⑤ 心理的サポート
・不妊や性機能の問題など、デリケートな悩みに配慮する
・無理に聞き出さず、本人が話しやすい雰囲気を作る
・体調や症状の変化を否定せず、事実として受け止める
■⑧ まとめ
・プロラクチンが過剰になることで様々な症状が出る病気
・女性では月経異常、男性では性機能低下が特徴
・原因は腫瘍や薬剤などがあるが不明な場合もある
・治療は薬物療法が中心で長期管理が必要
・介護では「安全確保」と「心理面の配慮」が重要
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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