■① 病気の説明

遺伝性ジストニアは、遺伝的な要因により筋肉の収縮がうまく調整されず、不随意に筋肉が緊張することで異常な姿勢や動きが現れる病気です。
体の一部だけに現れる場合もあれば、全身に広がる場合もあります。
症状は持続的または断続的に現れ、日常生活動作に影響を及ぼすことがあります。
発症時期や進行の程度には個人差があり、長期的な経過観察と支援が必要とされています。
■② 分かりやすい説明

筋肉は通常、脳からの指令で「必要なときだけ」動きます。
しかし遺伝性ジストニアでは、その調整がうまくいかず、勝手に力が入ってしまう状態になります。
例えば、文字を書こうとすると手がねじれる、歩こうとすると足が突っ張る、といったことが起こります。
そのため、思い通りに体を動かすことが難しくなるのが特徴です。
■③ 症状

・筋肉の持続的なこわばり
・体や首、手足のねじれ(異常姿勢)
・不随意運動
・動作時に症状が強くなることがある
・歩行障害や日常動作の困難
■④ 原因
遺伝子の変異が関係していることが分かっているタイプがあります。
ただし、すべてのケースで原因遺伝子が特定されているわけではなく、不明な点もあります。
■⑤ 治療

根本的に治す治療法は確立されていないとされています。
主な対応は以下の通りです。
・薬物療法(筋緊張を緩和する薬など)
・ボツリヌス療法(筋肉の過剰な収縮を抑える)
・脳深部刺激療法(DBS)などの外科的治療
・リハビリテーション
症状の部位や程度に応じて治療が選択されます。
■⑥ 患者数

日本における正確な患者数は明確にはされていませんが、比較的まれな病気とされています。
旧ジストニア研究班の調査では、遺伝性ジストニアの患者さんは全国で500人程度と推定されています。
■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・異常な姿勢や突発的な動きに備え、家具の角に保護材をつける
・床の段差をなくし、滑りにくい環境を整える
・歩行が不安定な場合は手すりや歩行補助具を使用する
② 動作支援
・症状が出にくい姿勢や動作を一緒に見つける
・食事や更衣は時間に余裕をもって行う
・必要に応じて自助具(持ちやすいスプーンなど)を導入する
③ 疲労管理
・筋肉の緊張による疲労を考慮し、こまめに休憩を取る
・活動と休息のバランスを記録し、無理のない生活リズムを整える
・症状が強い日は活動量を調整する
④ 環境調整
・よく使う物は取りやすい位置に配置する
・椅子やベッドの高さを調整し、動作しやすくする
・動線をシンプルにして無駄な動きを減らす
⑤ 心理的サポート
・思い通りに動けないことへのストレスを具体的に聞き取る
・できる動作を一緒に確認し、成功体験を積めるよう支援する
・長期的な支援の中で、本人の希望や目標を共有する
■⑧ まとめ
・筋肉の異常な緊張で体がねじれる病気
・遺伝子の関与があるタイプがある
・症状や進行には個人差が大きい
・治療は対症療法や外科的治療が中心
・介護では安全確保と動作支援が重要
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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