■① 病気の説明

脊髄空洞症は、脊髄の内部に液体がたまって空洞(空洞状のスペース)が形成されることで、神経が圧迫される病気です。
この圧迫により、痛みや温度の感覚が鈍くなったり、筋力低下などの症状が現れます。
進行の程度や現れる症状には個人差がありますが、日常生活動作に影響を及ぼすこともあります。
原因となる別の病気が関係している場合もあり、継続的な経過観察が必要とされています。
■② 分かりやすい説明

脊髄は、脳からの指令を体に伝える「電線」のような役割をしています。
脊髄空洞症では、その電線の中に水がたまって膨らみ、周りの神経を押してしまう状態になります。
例えば、やけどをしても「熱い」と感じにくくなったり、手に力が入りにくくなることがあります。
そのため、気づかないうちにケガをしてしまうこともあり、日常生活での注意が必要です。
■③ 症状

・温度や痛みの感覚が分かりにくくなる
・手足のしびれや感覚異常
・筋力低下(特に手の筋肉)
・慢性的な痛み
・進行すると歩行障害がみられることもある
■④ 原因
脊髄空洞症の原因として、以下のような関連が指摘されています。
・キアリ奇形(脳の一部が下がる状態)との関連
・脊髄の外傷や炎症
・腫瘍などによる影響
ただし、すべての原因が明確に分かっているわけではなく、不明な点も多いとされています。
■⑤ 治療

根本的に完全に治す治療法は確立されていないとされています。
主な対応は以下の通りです。
・原因となる病気(キアリ奇形など)への手術
・症状を軽減するための薬物療法(痛みのコントロールなど)
・リハビリテーション
症状の進行や状態に応じて、医師が方針を判断します。
■⑥ 患者数

日本における正確な患者数は明確にはされていませんが、指定難病として継続的な支援の対象となっています。
2008年~2009年にかけての、全国疫学調査 が行われました。その結果、推定患者数は2,500人前後と推定されました。
■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・温度感覚が鈍いため、入浴時は必ず介助者が温度確認を行う
・やけど防止のため、ポットやストーブの位置を見直す
・床の段差や滑りやすい場所に注意し、手すりを設置する
② 動作支援
・手の筋力低下に応じて、滑りにくい食器や自助具を使用する
・ボタンではなくマジックテープの衣類を選ぶ
・無理な動作を避け、必要に応じて部分介助を行う
③ 疲労管理
・長時間の作業を避け、こまめに休憩を取るよう促す
・体調の変化(痛みの増加など)を日々記録する
・無理に動かさず、その日の状態に合わせた活動量に調整する
④ 環境調整
・よく使う物は手の届く位置に配置する
・照明を明るくし、転倒リスクを減らす
・室内の温度を適切に保ち、感覚低下による事故を防ぐ
⑤ 心理的サポート
・症状の変化に対する不安を聞き取り、記録して医療者と共有する
・できている動作を具体的に伝え、自己効力感を保てるよう支援する
・過度な自立を求めず、本人のペースを尊重する
■⑧ まとめ
・脊髄に空洞ができ、神経が圧迫される病気
・感覚障害や筋力低下が主な症状
・原因は一部解明されているが不明点も多い
・治療は対症療法や原因疾患への対応が中心
・介護では「事故予防」と「日常動作の工夫」が重要
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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