■① 病気の説明

肥大型心筋症は、心臓の筋肉(心筋)が異常に厚くなる病気です。
特に左心室の壁が厚くなることが多く、血液を全身へ送り出す働きに影響が出ることがあります。
症状は人によって異なり、ほとんど自覚症状がない場合もあれば、息切れや動悸、失神などがみられることもあります。
重症の場合、不整脈や突然死のリスクが指摘されており、継続的な管理が重要とされています。
■② 分かりやすい説明

心臓はポンプのように血液を送り出していますが、肥大型心筋症ではそのポンプの壁が厚くなりすぎてしまいます。
たとえば、水を押し出すポンプの内側が分厚くなりすぎると、水の通り道が狭くなってしまいますよね。それと同じように、心臓の中の血液の流れがスムーズでなくなることがあります。
そのため、運動時に息が切れやすくなったり、めまいを感じたりすることがあります。
■③ 症状

・息切れ(特に運動時)
・動悸や脈の乱れ(不整脈)
・胸の痛み
・めまい・失神
・疲れやすさ
■④ 原因
肥大型心筋症は、遺伝との関連が指摘されています。
心筋の構造に関わる遺伝子の変化が関与していると考えられています。
ただし、すべての原因が明らかになっているわけではなく、詳しい発症の仕組みには分かっていない点もあります。
■⑤ 治療

現時点で根本的に治す治療法は確立されていないとされています。
主に以下のような対症療法が行われます。
・薬物療法(心拍数や不整脈のコントロール)
・不整脈に対する治療(植込み型除細動器など)
・症状に応じた生活指導
状態に応じて専門医による継続的な管理が必要です。
■⑥ 患者数

令和5年度末の肥大型心筋症医療受給者証所持者数は、4,388人でした。
日本における正確な患者数は明確ではありませんが、比較的頻度の高い心筋症の一つとされています。
健診などで偶然見つかるケースもあると報告されています。
■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・失神やめまいに備えて、移動時は付き添う
・浴室やトイレに手すりを設置する
・急な立ち上がりを避けるよう声かけする
② 動作支援
・階段や長距離歩行は無理をさせない
・必要に応じて車椅子や歩行補助具を使用する
・動作はゆっくり行うよう支援する
③ 疲労管理
・活動と休息のバランスをとる(こまめな休憩)
・体調の変化(息切れ・動悸)を日々確認する
・無理な運動や長時間の活動を避ける
④ 環境調整
・生活動線を短くする(寝室とトイレを近くするなど)
・室温を適切に保ち、心臓への負担を軽減する
・必要な物を手の届く位置に配置する
⑤ 心理的サポート
・症状への不安について話を聞く時間をつくる
・体調に波があることを理解し、無理を求めない
・医療者との連携内容を共有し、安心感を持てるよう支援する
■⑧ まとめ
・心筋が厚くなることで血流に影響が出る病気
・無症状のこともあれば、息切れや失神が起こることもある
・原因は遺伝が関与するとされるが不明点も多い
・根本治療は確立されておらず、対症療法が中心
・介護では「無理をさせない環境づくり」と「安全確保」が重要
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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