【指定難病87】『肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症』とは?症状・原因・介護でできる支援について分かりやすく説明します。【介護】

■① 病気の説明

肺静脈閉塞症および肺毛細血管腫症は、肺の中の細い血管(肺静脈や毛細血管)に異常が起こり、血液の流れが妨げられる病気です。その結果、肺の中の圧力が高くなり、呼吸が苦しくなります。

また心臓にも負担がかかり、進行すると心不全につながることがあります。
いずれもまれな疾患で、肺動脈性肺高血圧症と似た症状を示すことがあります。

■② 分かりやすい説明

肺の中には、細い血管が網の目のように広がっています。
この病気では、その血管が詰まったり増えすぎたりしてしまいます。

たとえば、
細い道がたくさんある町で、道がふさがったり混雑すると、車がスムーズに進めなくなりますよね。
それと同じように、血液の流れが悪くなります。

その結果、酸素の取り込みがうまくできず、
少しの動作でも息切れが起こりやすくなります。

■③ 症状

・労作時の息切れ
・慢性的な呼吸困難
・疲れやすさ
・低酸素状態(酸素不足)
・進行するとむくみや心不全症状

■④ 原因

肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症の原因は、完全には解明されていません。

一部では、
・遺伝子の異常(EIF2AK4遺伝子など)
が関係していることが知られています。

ただし、すべての患者に当てはまるわけではなく、不明な点も多く残されています。

■⑤ 治療

現時点では、確立された根本的治療は限られています。

主な対応は以下の通りです。
・酸素療法
・利尿薬などによる症状緩和
・慎重な薬物療法(肺高血圧治療薬は状態によっては悪化の可能性があるため注意が必要)
・重症例では肺移植が検討されることがある

病状に応じた慎重な管理が必要とされています。

■⑥ 患者数

「難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究班」による調査(特定疾患例の約2/3の症例の解析)では、肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症の認定患者数は23名(2023年度)でした。
非常にまれな疾患であり、日本国内の患者数は少数とされていますが、正確な人数は明確ではありません。

■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防

・低酸素やめまいによるふらつきに注意し見守りを行う
・移動時は手すりや歩行補助具を活用する
・急な立ち上がりを避けるよう声かけする


② 動作支援

・動作は「ゆっくり・分けて」行う
・歩行距離を短く区切り、途中で必ず休憩を入れる
・息切れ時はすぐ座れる場所を確保する


③ 疲労管理

・活動時間と休息時間を事前に計画する
・バイタルや表情を観察し、無理をさせない
・入浴や排泄介助は体調の良い時間帯に実施する


④ 環境調整

・酸素機器のチューブ整理で転倒リスクを減らす
・生活動線を短くし、移動負担を軽減する
・室温・湿度を安定させ呼吸負担を減らす


⑤ 心理的サポート

・呼吸困難への不安に対して「すぐ休める」安心感を作る
・症状が出たときの対応(座位・呼吸を整える)を共有する
・日々の小さな変化を一緒に確認し、不安軽減につなげる

■⑧ まとめ

・肺の細い血管に異常が起こるまれな病気
・呼吸困難と心臓への負担が特徴
・原因は一部判明しているが不明点も多い
・治療は慎重な症状管理が中心
・介護では「低酸素と疲労への配慮」が重要


参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。

次の記事はこちらです。👇
https://hajimetenokaigo.com/nanbyo-88/

コメント