【指定難病123】『HTRA1関連脳小血管病』とは?症状・原因・介護でできる支援について分かりやすく説明します。【介護】

■① 病気の説明

HTRA1関連脳小血管病は、脳の細い血管(小血管)に障害が起こり、脳の働きに影響を与える遺伝性の疾患です。
血管の異常により脳の血流が低下し、白質と呼ばれる部分に変化が起こることで、歩行障害や認知機能の低下などがみられることがあります。

比較的若い年齢から症状が現れる場合もあり、進行性に経過することがあるため、長期的な生活支援が重要とされています。


■② 分かりやすい説明

この病気は、脳の中の細い血管がうまく働かなくなることで、脳に十分な血液が行き渡らなくなる状態です。

例えば、脳の血流が悪くなると、足が思うように動かしにくくなったり、考える力や記憶力が少しずつ低下したりします。
見た目には分かりにくいですが、日常生活の中で「歩きにくい」「物忘れが増えた」といった変化として現れることがあります。


■③ 症状

・歩行障害(足がもつれる、歩きにくい)
・認知機能の低下(物忘れなど)
・気分の変化(意欲低下、抑うつ傾向)
・構音障害(話しにくさ)
・脳卒中様症状(麻痺などが一時的または持続的に出ることがある)


■④ 原因

HTRA1遺伝子の変異が関係していることが分かっています。

この遺伝子の異常により、血管の構造や機能に影響が出ると考えられています。
ただし、どのようにして症状が進行するのか、詳しい仕組みについては分かっていない点もあります。


■⑤ 治療

根本的な治療法は確立されていないとされています。

・リハビリテーション(歩行や日常動作の維持)
・症状に応じた薬物療法
・生活習慣の管理(血圧管理など)

症状の進行を完全に止めることは難しい場合があり、状態に応じた対症療法が中心となります。


■⑥ 患者数

日本における正確な患者数は明確には分かっていません。
比較的まれな疾患とされており、診断例は限られています。

2019年9月までに日本では7家系8例の患者さんが確認されています。
1個の遺伝子の異常で病気になられている方は、2019年9月までに本邦で11家系13例の方が報告されています。
しかし、この疾患については調査がまだ不十分です、もっと多くの患者さんがいる可能性があります。


■⑦ 介護でできる支援(最重要)

① 転倒・事故予防
・歩行障害により転倒リスクが高いため、手すりや滑り止めマットを設置する
・段差を解消し、動線をシンプルに保つ

② 動作支援
・歩行時は見守りや付き添いを行い、安全を確保する
・立ち上がりや移動の際は、ゆっくり動作するよう声かけを行う

③ 疲労管理
・歩行や活動で疲れやすいため、短時間で区切った活動にする
・無理なスケジュールを避け、休憩をこまめに取る

④ 環境調整
・認知機能低下に配慮し、物の配置を固定して分かりやすくする
・トイレや居室までの導線を明確にし、迷わないよう工夫する

⑤ 心理的サポート
・できることを維持できるよう、小さな成功体験を積める環境を整える
・意欲低下が見られる場合は、本人の興味に合わせた活動を提案する
・否定的な声かけを避け、安心して行動できるよう関わる


■⑧ まとめ

・脳の小血管に障害が起こる遺伝性疾患
・歩行障害や認知機能低下がみられる
・原因はHTRA1遺伝子の変異
・根本治療は確立されていない
・介護では転倒予防と認知面への配慮が重要


参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。

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