【指定難病78】『下垂体前葉機能低下症』とは?症状・原因・介護でできる支援について分かりやすく説明します。【介護】

■① 病気の説明

下垂体前葉機能低下症は、脳にある下垂体の前葉から分泌される複数のホルモンが不足することで起こる病気です。
これらのホルモンは、甲状腺や副腎、性腺など全身の働きを調整しているため、不足すると全身にさまざまな影響が現れます。

疲れやすさや血圧低下、意識障害などが起こることがあり、重症の場合は命に関わる状態になることもあります。

■② 分かりやすい説明

この病気は「体をコントロールするホルモンが足りなくなる状態」です。

例えば、体のエネルギーを保つホルモンが不足すると、強いだるさや立ちくらみが起こりやすくなります。
また、ストレスに対応する力も弱くなるため、体調を崩しやすくなります。

一見すると「ただ疲れているだけ」に見えることもあり、注意が必要な病気です。

■③ 症状

・強い倦怠感(だるさ)
・低血圧、立ちくらみ
・食欲低下、体重減少
・低血糖(ふらつき、意識低下)
・意識障害(重症時)

■④ 原因

原因としては、
・下垂体の腫瘍
・手術や放射線治療の影響
・自己免疫の関与が考えられる場合

などが知られています。

ただし、原因が特定できないケースもあり、すべてが明確になっているわけではありません。


■⑤ 治療

不足しているホルモンを補う「ホルモン補充療法」が基本となります。

具体的には、
・副腎皮質ホルモン
・甲状腺ホルモン
などを補う治療が行われます。

根本的に機能を回復させる治療は確立されていないため、継続的な治療と管理が必要です。

■⑥ 患者数

令和5年度の医療受給者証保持数は20,336人です。
日本における正確な患者数は明確ではありませんが、指定難病として比較的まれな疾患とされています。

診断が難しい場合もあり、実際の患者数は把握しきれていない可能性があります。

■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防

・低血圧による立ちくらみに注意し、急な立ち上がりを避けるよう声かけする
・ベッドから起きる際は段階的に体を起こす
・転倒しやすい場所に手すりを設置する


② 動作支援

・体調に合わせて動作ペースを調整する
・立ち上がりや歩行時に付き添う
・無理な動作を避け、休みながら行動できるよう支援する


③ 疲労管理

・日中の活動量を調整し、こまめに休憩時間を確保する
・体調の変化(だるさ、食欲低下)を記録する
・過度な負担がかからない生活リズムを整える


④ 環境調整

・すぐ休めるようベッドや椅子の配置を工夫する
・室温を適切に保ち、体への負担を減らす
・移動距離が短くなるよう生活動線を整える


⑤ 心理的サポート

・「怠けている」と誤解されやすいため、症状への理解を共有する
・不安や体調の変化について話しやすい環境を作る
・通院や服薬の継続を安心して行えるよう支援する

■⑧ まとめ

・ホルモン不足により全身に影響が出る病気
・強いだるさや低血圧が特徴
・原因は腫瘍や治療後など様々で不明な場合もある
・治療はホルモン補充が中心
・介護では体調変化への対応と転倒予防が重要


参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。

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