■① 病気の説明

先天性核上性球麻痺(ウースター・ドロート症候群)は、生まれつき顔や舌、のどの動きをコントロールする神経の働きに障害がある病気です。
そのため、言葉を話すことや飲み込む動作が難しくなります。
一方で、手足の運動や知的機能は比較的保たれることもあります。
発達の中で症状が目立ち、日常生活では食事やコミュニケーションに支援が必要となることが多い疾患です。
■② 分かりやすい説明

この病気は、「口やのどの動きだけがうまく動かせない状態」と考えると分かりやすいです。
例えば、頭の中では話したいことがあっても、口や舌がうまく動かず言葉にできないことがあります。また、食べ物を飲み込むのも難しく、むせやすくなることがあります。体は動かせるのに、話す・食べる部分だけに困りごとが出るのが特徴です。
■③ 症状

・構音障害(言葉がはっきりしない、発語が難しい)
・嚥下障害(飲み込みにくい、むせやすい)
・よだれが多い
・顔や舌の運動障害
・発達の遅れ(主に言語面)
■④ 原因
脳の発達に関わる異常が関係していると考えられています。
ただし、明確な原因や発症の仕組みについては分かっていない点も多く、すべてのケースで同じ原因が特定できるわけではありません。
■⑤ 治療

根本的な治療法は確立されていないとされています。
・言語療法(発語訓練)
・嚥下訓練
・必要に応じた栄養管理(食事形態の調整など)
症状に応じたリハビリテーションと生活支援が中心となります。
■⑥ 患者数

日本における患者数は非常に少なく、まれな疾患とされています。
正確な人数は明確には分かっていません。
正確な数は不明ですが、日本には100名ほどと推計されています。
■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・嚥下時の誤嚥リスクがあるため、食事中は姿勢を安定させる(座位保持)
・食事中の見守りを徹底し、急なむせ込みに対応できるようにする
② 動作支援
・食事は一口量を調整し、ゆっくりとしたペースで介助する
・発語が難しい場合は、ジェスチャーやコミュニケーションボードを活用する
③ 疲労管理
・食事や会話で疲れやすいため、休憩を挟みながら行う
・長時間の会話や訓練は避け、短時間で区切る
④ 環境調整
・静かな環境で食事や会話を行い、集中しやすくする
・誤嚥を防ぐため、食事形態(刻み食・とろみなど)を調整する
・姿勢保持がしやすい椅子やクッションを使用する
⑤ 心理的サポート
・話せないことへのストレスに配慮し、意思表示の方法を一緒に探す
・伝わった成功体験を積み重ね、自信につなげる
・焦らせず、ゆっくり待つ姿勢を大切にする
■⑧ まとめ
・口やのどの運動に障害がある先天性疾患
・発語や嚥下に影響が出る
・原因は脳の発達異常と考えられるが不明点も多い
・根本治療は確立されていない
・介護では誤嚥予防とコミュニケーション支援が重要
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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