■① 病気の説明

甲状腺ホルモン不応症は、血液中に甲状腺ホルモンが十分、あるいは多く存在していても、体の細胞がそのホルモンにうまく反応しないことで起こる病気です。
そのため、甲状腺機能亢進症のような症状と、逆に低下症のような症状が混在することがあります。
症状の現れ方には個人差が大きく、診断や管理が難しい特徴があります。
■② 分かりやすい説明

この病気は「ホルモンはあるのに、体がそれをうまく使えない状態」です。
例えば、エアコンのリモコンが正常でも、本体が反応しないと部屋の温度が調整できないのと似ています。
体の中でも同じように、ホルモンが届いていても、細胞が反応しにくいため、体のバランスが崩れてしまいます。
■③ 症状

・動悸(心臓がドキドキする)
・疲れやすさ、だるさ
・注意力低下や落ち着きのなさ
・発汗や暑がり
・成長や発達への影響(小児の場合)
■④ 原因
甲状腺ホルモン受容体に関わる遺伝子の異常が原因とされています。
この異常により、ホルモンが細胞にうまく作用しなくなります。
ただし、すべての症例で同じ仕組みが明確に分かっているわけではありません。
■⑤ 治療

症状に応じた対症療法が中心となります。
明確に確立された標準治療は限られており、
・症状に応じた薬物療法
・経過観察
などが行われます。
個人差が大きいため、長期的な管理が必要です。
■⑥ 患者数

日本ではまれな疾患とされていますが、正確な患者数は明確ではありません。
この病気は4万人に1人くらいの割合で発症するという論文がありますので、多くの患者さんが「自分が病気であることを知らない」可能性や、「バセドウ病など別の病気と診断されている」可能性もあります。
診断が難しいため、実際の患者数は把握されていない可能性があります。
■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・動悸や体調変化によるふらつきに備え、急な移動を避ける
・滑りにくい床環境や手すりを整備する
・体調が不安定な日は無理な外出を控える
② 動作支援
・体調に波があるため、その日の状態に応じて活動量を調整する
・動悸や疲労がある場合はすぐ休めるよう促す
・無理な運動や作業を避けるよう具体的に声かけする
③ 疲労管理
・日中の活動と休息をバランスよく配置する
・疲れやすさを前提にスケジュールを組む
・睡眠環境を整え、十分な休息を確保する
④ 環境調整
・室温を一定に保ち、暑さ寒さの影響を減らす
・静かで落ち着ける環境を整える(刺激を減らす)
・すぐに休めるスペースを確保する
⑤ 心理的サポート
・症状にばらつきがあることを理解し、日による違いを受け入れる
・周囲から「気のせい」と誤解されないよう説明を補助する
・不安やストレスを言葉にできる環境を整える
■⑧ まとめ
・ホルモンがあっても体が反応しにくい病気
・症状は亢進と低下が混在することがある
・原因は遺伝子異常が関与するとされる
・治療は対症療法が中心
・介護では体調の波への対応が重要
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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