■① 病気の説明

先天性副腎皮質酵素欠損症は、副腎という臓器でホルモンを作るために必要な酵素が、生まれつき不足していることで起こる病気です。
副腎ホルモンは、体のストレス対応や血圧・水分バランスの維持に重要な役割を持っています。
この酵素が不足すると、必要なホルモンが十分に作れず、体調不良や発育への影響が生じることがあります。
■② 分かりやすい説明

体の中には「ホルモンを作る工場」があり、副腎はその一つです。
この工場では、酵素という“道具”を使ってホルモンを作っています。
この病気では、その道具が一部足りないため、うまくホルモンが作れません。
たとえば、料理で材料や調理器具が足りないと完成しないのと同じような状態です。
その結果、体のバランスが崩れ、体調が悪くなったり、成長に影響が出たりします。
■③ 症状

・体重が増えにくい、発育不良
・低血圧や脱水症状
・疲れやすい、元気が出ない
・嘔吐や食欲不振
・思春期の発現異常(性ホルモンの影響)
■④ 原因
副腎皮質ホルモンを作る酵素に関わる遺伝子の異常が関係しているとされています。
ただし、どのように発症の程度が決まるのかなど、詳細については分かっていない点もあります。
■⑤ 治療

根本的に酵素の不足を完全に治す治療は、現時点では確立されていません。
そのため、足りないホルモンを薬で補う「補充療法」が中心になります。
また、体調不良やストレス時には薬の調整が必要になる場合があります。
■⑥ 患者数

日本における正確な患者数は明確ではありませんが、比較的まれな疾患とされています。
■⑦ 介護でできる支援
① 転倒・事故予防
・低血圧や体調不良によるふらつきに注意する
・立ち上がり時はゆっくり動作するよう声かけ
・手すりの設置や段差の解消
② 動作支援
・疲労時は無理に動かさず、休憩を優先
・移動時は付き添いを行う
・体調に応じて介助量を調整する
③ 疲労管理
・活動と休息のバランスを意識したスケジュールにする
・長時間の作業を避け、こまめに休憩を入れる
・体調変化(だるさ・食欲低下)を早めに把握
④ 環境調整
・室温・湿度を安定させ、体への負担を減らす
・水分補給しやすい環境を整える
・緊急時に備え、薬の保管場所を共有しておく
⑤ 心理的サポート
・体調の波があることを前提に対応する
・できたことを具体的に伝える(例:「今日はしっかり休めましたね」)
・不安や体調の変化を話しやすい関係づくり
■⑧ まとめ
・副腎ホルモンを作る酵素の不足で起こる病気
・体調や成長に影響が出ることがある
・治療はホルモン補充が中心
・体調変化への早期対応が重要
・介護では「無理をさせない環境づくり」が大切
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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