■① 病気の説明

バッド・キアリ症候群は、肝臓から心臓へ血液を戻す静脈(肝静脈など)が閉塞または狭窄することで、肝臓内の血流が滞る病気です。
その結果、肝臓に血液がうっ滞し、肝機能障害や腹水、むくみなどが生じます。
急性に発症する場合と、慢性的に進行する場合があり、進行すると肝不全に至ることもあるため、継続的な管理が必要な疾患です。
■② 分かりやすい説明

肝臓は、血液を処理する大切な臓器で、使った血液は静脈を通って心臓に戻ります。
この病気では、その「戻るための道」が詰まってしまいます。
たとえば、
川の流れが途中でせき止められると、水がたまってしまいますよね。
それと同じように、肝臓の中に血液がたまってしまいます。
その結果、肝臓が腫れたり、お腹に水がたまったりして、体に負担がかかります。
■③ 症状

・腹水(お腹に水がたまる)
・肝腫大(肝臓の腫れ)
・腹部の張りや痛み
・下肢のむくみ
・全身のだるさ
■④ 原因
バッド・キアリ症候群は、
・血栓(血のかたまり)による静脈の閉塞
・先天的な血管の異常
などが原因として知られています。
また、血液が固まりやすい体質(血液凝固異常)との関連も指摘されていますが、すべての原因が明らかになっているわけではありません。
■⑤ 治療

治療は原因や進行度に応じて行われます。
・抗凝固療法(血栓の予防・治療)
・利尿薬による腹水・むくみの管理
・血管拡張やシャント治療(血流の改善)
・重症例では肝移植
症状のコントロールと肝機能の維持が目的となります。
■⑥ 患者数

年間約410人前後の人がこの病気で病院に通院あるいは入院しています。
日本では比較的まれな疾患であり、患者数は多くありません。
正確な人数は明確ではありませんが、指定難病として医療費助成の対象となっています。
■⑦ 介護でできる支援

① 転倒・事故予防
・腹水やむくみによるバランス低下に注意する
・歩行時はふらつきがないか見守る
・段差の解消や手すり設置を行う
② 動作支援
・腹部の張りを考慮し、無理のない姿勢で動作を行う
・立ち上がりや移動はゆっくり行うよう声かけする
・長時間の立位を避け、適度に休憩を入れる
③ 疲労管理
・だるさ(倦怠感)が強いため活動量を調整する
・日中の活動と休息のバランスをとる
・体調の変化(食欲低下・疲労増加)を観察する
④ 環境調整
・トイレやベッドを近くに配置し移動負担を軽減する
・安静時に楽な体位(上半身を少し起こすなど)を確保する
・衣類は締め付けの少ないものを選ぶ
⑤ 心理的サポート
・慢性的な症状への不安を話せる環境を作る
・腹水や体型変化への心理的負担に配慮する
・日々の体調変化を共有し安心感につなげる
■⑧ まとめ
・肝臓の血流が滞ることで起こる病気
・腹水やむくみが主な症状
・血栓や血管異常が関係する
・治療は症状管理と血流改善が中心
・介護では「腹部負担と疲労への配慮」が重要
参考引用)公益財団法人、難病医学研究財団『難病情報センター』ホームページより。
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